彼女は愛され体質４

You make me lose my mind - Taiga ページ40

Taiga side



「A〜？A〜？」

staff「あ、Aちゃんシャワー浴びに行ってますよ」

「え、もう？」

staff「行ってから20分ぐらい経つのでそろそろ戻ってくるとは思いますけど」


コンサート前、各々アップしたり好きに過ごしてる時間、発声やアップを終えて、楽屋にいるだろうと思ってAを探しにくればそこには姿がなくて、スタッフさんに言われてシャワールームにいけば、椅子に座ってタオルで髪を拭く愛しい姿を見つけた。



「A〜」

「わぁっ！きょも、！？」


後ろから抱きつけば、Aはびっくりした〜と目をぱちくりさせた。


「髪乾かしてあげる」

「え〜いいの？」

「はい、ドライヤーかして」


Aの後ろに腰を下ろして、ドライヤーのスイッチをオンにして濡れた長い髪に指を通した。


柔らかくてサラサラな髪からシャンプーのほのかな甘い香りがしてくる。嗅ぎ慣れた俺の大好きな香り。


ひと通り乾かしてドライヤーを切ってふわふわでサラサラな髪を櫛でとかす。綺麗な髪。


撮影で久しぶりに黒髪にしたAは少し幼く見えて、なんだか昔を思い出す。


「ありがと〜、髪乾かしてもらったらなんか眠くなってきちゃった〜」

「ふふっ、人にやってもらうと眠くなるよね」

「楽屋で10分くらい寝ようかなぁ、……きょも？」

「うん、ちょっとだけ…」


後ろからぎゅっと抱きしめれば、Aは俺の手にふわりと触れた。その手を握りしめれば、優しく握り返してくれた。


「……何も変わらないよね？樹と付き合っても、俺とAは、」

「変わらないよ」

「ん、良かった…もうAのこと抱きしめちゃいけないって言われたらどうしようかと思った」

「メンバーとハグするのは普通じゃん。…でも、ちゅーはだめだよ？」

「ちぇっ、…こっそりでも、」

「だめ」

「はぁい。……ねぇ、俺が傷ついたんじゃないかって思った？」

「…ん、」

「ふふっ、優しいねAは。もちろん、傷ついた。ズタボロにね。でも、嬉しかったよ」

「え？」


振り向いたAに目尻が下がってしまう。

だって、かわいいんだもん。きゅるきゅるの目も、ぷっくりした唇もふにふにのほっぺも何もかも全部かわいい。


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