彼女は愛され体質４

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電話をかけながら私の頭を優しく撫でて見つめてくるから、ん？て目で聞けば、樹は眉毛を垂らしてよく分からない表情で笑うと、再び私を抱き寄せた。


トクリ、

胸の奥が音を立てた。



頭の上で交わされる電話のやり取りが聞こえてくる。きょものごめんって声が小さく聞こえた。

私こそ、ごめんなさい。きょもにも怖い思いさせてしまったし、きっと絶対、自分を責めているだろう。


ごめんね…。



「うん、うん、大丈夫。悪いな、先戻ってて。うん、よろしく頼むわ」


樹の胸におでこをくっつけながら、深く息を吸うと樹の匂いでいっぱいになって、急にじわじわとこの状況が恥ずかしくなってきた。



「A、大丈夫？そろそろ、て… 何その顔」


電話を終えた樹に顔を覗き込まれたかと思うと、樹は少し固まって、次の瞬間には口角を上げて意地悪そうに笑った。



「…え、？」

「顔赤いけど、もしかして照れてんの？」

「は、！？」

「はっは！照れてんじゃん！」

「ち、違うから！照れてないから！」

「んははっ、なんかかわいいな」

「う、うるさい！もう帰ろ？！」

「ふはっ、はいはい、帰るべ」


ポン、と私の頭に手を乗せて


「んはっ、かわいい」


くしゃりと笑った樹にまた胸の奥で音がした。





ねぇ、


わたし、信じてみようと思う。



これが真実なんだって。


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