彼女は愛され体質４

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「ほら、いくよ！A！」


きょもに手を引かれるがまま私は遊園地へと入っていった。



「きょも、どこいくの？」

「観覧車、さっき来る時見えたでしょ？A、観覧車苦手だから乗らなきゃね！」

「えぇっ！？嫌だよ！なんで苦手なの知ってて乗せようとするの！？鬼なの！？」

「苦手克服！ていうか、ジェットコースターは乗れるのに観覧車は苦手って意味わかんないよ？」

「だって、ジェットコースターは速いしあっという間に終わるけど、観覧車はゆっくりゆっくり高いところいくじゃん、そっちのが怖いよ！」

「ふふふっ、ほんとAって変わってるよね〜」



笑いながらもぐいぐいと私を引っ張っていくきょも。変わってるのは絶対きょもだって。

どんどん観覧車に近づいていき、ついに到着。



「あ、いたいた！おーい！」

「え、誰に声かけてんのっ！？」


きょもが手を振る先をみれば、なぜかしょっぴーと樹がいた。ふたりして白Tとゆるめのデニムパンツっていうお揃い具合い。双子コーデか！なんて心の中でツッコミを入れるも、この状況をのみ込めない。



渡「遅いって〜！」

樹「30分遅刻！」

京「ごめんごめん、Aとのドライブデート楽しんでたからちょっと遅れちゃった〜」

「いや、なんで？どうゆうこと？」

京「早速乗るぞ〜！」

「え、ちょっ、きょも！私はいいっ！」


混乱してる私を他所に観覧車の乗り場までグイグイ引っ張るきょも。


staff「お足元ご注意下さーい！」


背中を押されるがまま観覧車に乗り込む。


staff「ゆっくり景色をお楽しみくださいっ！それではいってらっしゃーい！」


「いってきまぁ〜すっ！！」

「っ、！？！？」


閉じられた扉の向こうでお姉さんときょもとしょっぴーが笑顔で手を振っていて、隣には子どもみたいに元気いっぱいに手を振りかえす樹がいた。



「っ〜〜、きょものバカ〜〜！！」


立ち上がって叫べば、その勢いで観覧車が大きく揺れた。


「っ、わ！」

「ちょ、ばか！」


観覧車の揺れに思わずバランスを崩して倒れそうになったところを樹に抱きとめられて座り込んだ。


「勢いよく立つなよ、ばか！」

「ごっ、ごめん！」


ギシギシ、と観覧車は不穏な音を立ててグラグラと揺れている。


「うぅっ、やだ、落ちるよ、これっ」

「落ちねぇって」

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