彼女は愛され体質

君の心に触れた - Fuka ページ46

Fuka side


「何飲むー？あ、ビールあるけど飲む？」

「お、じゃあ飲もっかな〜」

「せっかくだし私も飲んじゃお〜」

「なんか手伝おうか？」

「いいよ、座ってて〜」

「おー ありがとな！」


風呂上がりの濡れた髪をタオルで拭きながらソファーに座って、キッチンでおつまみと酒の準備をしてるAを眺める。めっちゃソワソワする。Aの部屋で二人きりだなんて、まじで舞い上がりそうだ。チラチラと部屋を見渡して、あれこれ観察してしまう。


と、まぁなんでこんな展開になっているのかというと、夜も深まった仕事帰りに鍵を無くしたうえにスマホが充電切れというダブルのピンチが重なっていた時にヒーローの如く現れたのがAだった。

とりあえずビジネスホテルにでも泊まるか、とトボトボ歩いていると、


「ふっか！」


突然、呼ばれて声の方を向けば、信号待ちで停車している車の窓から顔を出すAがいた。


「え、なんでいんの！？」

「あははっ 普通に帰り道！死んだ目で歩くふっかが視界に入ってきたから笑っちゃった〜」

「いやまじでびっくりしたわ！あ、てか良かったらちょっと乗せてもらってもいい？スマホ充電させてもらいたくて、」

「充電？ふふっ いいよ〜 はい、」


Aの車に乗り込んで、この身に降りかかった災難について話せば、うちくる？客間あるし、とAは何の躊躇いもなく言い放った。さすがにそれは悪いと思ったけど、結局来てしまった…！

初めて入ったAの部屋はセキュリティーのしっかりした高級マンションの一室で、一人暮らしにしては寂しいほどゆったりと広々としていた。さすがジャニーズの紅一点！さすが人気女優！あっぱれだ！


「ふっか〜 きて〜」

「ん？なになに？」

「できたから運んでっ」

「ん、お！美味そ！めっちゃいい匂いするな！」

「ふふっ 絶対美味しいよ〜」


キッチンに行けば、鳥の照り焼き、ラタトゥイユ、アスパラガスのベーコン巻き、だし巻き卵、とおつまみが出来ていて、髪をゆるくまとめてリラックスしたAがニコニコしながらビールをグラスに注いでいて… 世界一かわいい！！まじで嫁にしたい！！ってガチで思ったり。



テキトーにテレビをつけ、横並びで座ってAお手製のおかずとビールを味わった。


「まっじで美味いな！絶対いい嫁になるじゃん！」

「ふっかそれは単純すぎるよ〜 これくらい誰だって作れる」

「なーに謙虚ぶってんだ！褒めてんだから喜べ！」



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