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何もしてなくても時間は過ぎていくもので､入院を余儀なくされて一週間が経った｡
樹が色々と準備をしてくれていることを見舞いに来てくれる全員から聞いていて､申し訳ない気持ちでいっぱいになった｡
やっとの思いで退院できる日を迎え､着替えを済ませて忘れ物がないか確認していると扉が開く音がして顔を向けた｡
『北斗!』
『準備できた??』
そう言いながら近づいてきて､俺は北斗と向かい合う形で立った｡
『何で居るの??』
『恋人が晴れて退院するのに､迎えに行かないなんて選択肢はないかなって｡』
『大丈夫なの??』
『大丈夫です｡』
そう言って北斗は俺の荷物を持ってくれた｡
『終わったなら､帰ろう｡』
『うん｡』
そう返すと手を差し出された｡
北斗の顔を見つめると少しムスっとした後で指を絡めてきてぎゅっと握られた｡
『...ありがとう｡』
『いいえ｡』
そう言って俺たちは歩き出し､外へと向かった｡
歩いていくと北斗の車があって､助手席のドアを開けてもらった｡
車に乗り込んで動き出し､流れるような景色を見つめているとあっという間に家に到着した｡
中に入ると全員揃っていて､北斗に背中を押されて近づいた｡
『おかえり｡』
樹にそう言われて俺は微笑んだ｡
『ただいま､みんな｡』
そう返して俺はみんなを順番に見つめた｡
それから自分の部屋に向かい､周りを見渡した｡
『京本｡』
後から入ってきた北斗が隣に立ち､手をぎゅっと握られた｡
『北斗｡』
そう呼んで少し足を進め､俺は北斗の前に立った｡
『...俺にどれくらい時間が残ってるか分からないんだけどさ｡』
『京本｡』
『聞いて｡』
『...｡』
『...分からないんだけど｡』
そう言って俺は一度下を向いて深く息を吐いてから顔を上げて､北斗を見詰めた後微笑んだ｡
『俺は俺の幸せの為に生きるから｡』
『...｡』
『...愛する人の側でたくさんの愛を注いで､たくさん尽くしたい｡』
『...京本｡』
『...できる限り､一緒に居たい｡』
そう言うと北斗は手をほどいてきて､その手で頬を包まれた｡
そして北斗の顔が近づいてきて唇が重なり､ゆっくりと北斗の顔が遠ざかり目が合うと優しい微笑みをくれた｡
『...俺も京本と居たい｡』
『...ん｡』
『...してほしいこととかさ｡俺に出来ることなら､何でも言って｡』
『...ん｡』
『京本｡』
『ん??』
『これからもよろしくな｡』
そう言われて俺は頷き､北斗に抱きついた｡
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みちゅどん(プロフ) - 初めまして！涙ボロボロ流しながら読ませていただきました！更新待ってます♪ (2020年9月17日 21時) (
レス) id: 7115fd05ac (このIDを非表示/違反報告)
みかん - このお話大好きです!!!これからも頑張ってください!!! (2019年9月21日 21時) (レス) id: 1179d0f47a (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 更新ありがとうございます！続き楽しみにしてます！ (2019年9月16日 23時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
3 - 続きを楽しみにしてます (2019年5月4日 9時) (レス) id: 1f3daddeea (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 楽しみにしています (2019年3月13日 21時) (レス) id: b86fc9f85c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2019年1月26日 7時
