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倒れてから三日後､きょもは目を覚ました｡
その日から数日に分けて検査を受けて一週間後､俺は先にその結果を聞いた｡
そしてその日の夕方､俺はきょもの病室を訪ねた｡
きょもは少し起こしてあるベッドに身を預けて夕陽が紅く染める空を見つめていた｡
『きょも｡』
そう呼ぶと顔がこちらに向いて､目が合うと微笑んでくれた｡
『仕事､終わったの??』
『うん｡』
『お疲れ様｡』
『うん｡』
そう言って俺は近づき､椅子に座った｡
『今日は何してた??』
『...んー｡ただ､生きてたかな｡』
『...｡』
『...いや､今の笑うところだからな??』
そう言われて俺はうっすらしか笑えなかった｡
『樹｡』
静けさの中で俺を呼ぶきょもの声が響き渡り､少し困ったように眉を下げながら見つめられた｡
『樹を悲しませてるのは俺だよね｡』
『...きょも｡』
『...言って｡』
『...｡』
『...覚悟はとっくに出来てるから｡』
『...っ..｡』
『...大丈夫｡何を聞いてももう逃げたりしない｡』
『...っ..｡』
『だから､ちゃんと言って｡樹の口から聴聞きたい｡』
そう言ったきょもはどこか力強く､反対に俺は弱った｡
俯いて深く息を吐き､顔を上げてきょもを見つめた｡
『大我｡』
そう呼ぶときょもの顔つきが一瞬変わったがすぐに戻って､姿勢を正した｡
『...検査の結果を聞いてきた｡』
『うん｡』
『...残念だけど､悪化してた｡』
『...｡』
『...ごめん｡』
『...ここから､出られる??』
『...あのな｡』
『...嫌なんだ｡ここで最期を迎えるのだけは｡』
『...｡』
『...最期の瞬間まで､俺らしくいたい｡』
その言葉に胸が抉られるような痛みを感じた気がした｡
『お願いします｡』
きょもはそう言って俺に頭を下げてきて､俺は目頭が熱くなった｡
駄目だと思っても我慢しきれず､俺はきょもの前で涙を流してしまった｡
その瞬間にきょもは顔を上げて俺を悲しい目で見て､指で涙を拭ってくれた｡
『ありがとう､樹｡』
『...っ..｡』
『俺の為に泣いてくれて､ありがとう｡』
そう言われて俺は堪らず俯いた｡
ポタポタと落ちていく涙とそんな俺の髪を優しく撫でてくれる温かいきょもの手に､現実の厳しさときょもの芯の強さを思い知った｡
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みちゅどん(プロフ) - 初めまして！涙ボロボロ流しながら読ませていただきました！更新待ってます♪ (2020年9月17日 21時) (
レス) id: 7115fd05ac (このIDを非表示/違反報告)
みかん - このお話大好きです!!!これからも頑張ってください!!! (2019年9月21日 21時) (レス) id: 1179d0f47a (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 更新ありがとうございます！続き楽しみにしてます！ (2019年9月16日 23時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
3 - 続きを楽しみにしてます (2019年5月4日 9時) (レス) id: 1f3daddeea (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 楽しみにしています (2019年3月13日 21時) (レス) id: b86fc9f85c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2019年1月26日 7時
