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平日で昼間で穴場でもあるここにはやっぱり俺たちしか居なくて､思っていたよりもずっと安らげる時間を過ごせる気がした｡
しばらく歩いて砂浜に俺たちは座って目の前の海を見つめた後､ふと京本を見て俺は息を吐いた｡
そして手を伸ばして京本を引き寄せ､膝の上に頭を乗せて寝転がってもらった｡
『...北斗｡』
『恋人っぽくない??』
『...｡』
俺の言葉に京本は何も言わず､俺はゆっくり体を前に倒して唇を重ねた｡
『...これも恋人っぽくない??』
『...｡』
『こういう何気ないことが一番恋人っぽいと思う｡俺はこういう時間を一番大切にしたい｡』
『...｡』
『同じ空間で同じ時間を過ごす｡それが俺の幸せだから｡』
そう言うと京本の瞳は揺れていた｡
『ねぇ､京本｡俺は､京本が笑っていられる日々を一緒に生きたい｡』
『...｡』
『その為なら､何だってするし出来る｡』
『...｡』
『...でも｡それは俺が何かを犠牲にしてるわけじゃないからね??』
そう言うと京本は小さく頷いてくれた｡
『...この幸せが束の間だとしても｡永遠に続かなくても｡俺はそれでも京本の側に居る｡』
『...北斗｡』
『...変わらないから｡』
そう言うと京本は手を伸ばしてきて､俺はその手をぎゅっと握った｡
『...俺ね､今でもずっと怖い｡何かを変えなきゃいけない気がした｡変えなきゃ､俺はまた逃げちゃうから｡』
『...｡』
『...苦しかった｡北斗の優しさに甘えて､頼って､してもらうばっかり｡俺は北斗を甘やかすことも頼ってもらうこともしてあげられることもないんだって｡』
『...｡』
『...せめて恋人らしいことしなきゃって｡』
『...そっか｡』
『...ずっと怖かった｡』
『...｡』
『...こんなに近くに居られてるのに､遠ざかっていくような気がした｡』
『...｡』
『...役立たずでただの足かせになるだけだと思ったんだ｡』
そう言われて俺は京本の髪を撫でて､目の前の海を見つめた｡
『...俺には､まだまだ分かってやれないことがたくさんある｡全てを理解してもやれないけど｡』
『...うん｡』
『...どんな時も､京本が一番だから｡一番大切にしてるから｡』
『...俺もだよ??』
『ん､知ってる｡』
そう言って俺は京本を見た｡
『京本｡...俺も京本のこと､幸せにしたいって思ってるから｡』
そう言うと京本は優しくて温かい微笑みをくれた｡
『ありがとう､北斗｡』
そう言って京本は仰向けになり､微笑んだまま目を瞑った｡
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みちゅどん(プロフ) - 初めまして！涙ボロボロ流しながら読ませていただきました！更新待ってます♪ (2020年9月17日 21時) (
レス) id: 7115fd05ac (このIDを非表示/違反報告)
みかん - このお話大好きです!!!これからも頑張ってください!!! (2019年9月21日 21時) (レス) id: 1179d0f47a (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 更新ありがとうございます！続き楽しみにしてます！ (2019年9月16日 23時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
3 - 続きを楽しみにしてます (2019年5月4日 9時) (レス) id: 1f3daddeea (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 楽しみにしています (2019年3月13日 21時) (レス) id: b86fc9f85c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2019年1月26日 7時
