9話 ページ10
side A
(男子生徒達のはしゃぐ声)
S「ハハハハ。逃げても無駄じゃー」
俺は、教室のベランダから
ホース片手に、水かけしてる櫻井くんを眺めていた
A「事故って、山本さんのお姉さんの事だよね?」
O「だから、翔くんの彼女だった」
俺は、昨日の大ちゃんとの会話を思い出し
また、櫻井くんを見つめていた
みずちん「ねぇ、見てみて」
タカちゃん「何何？って西高のアルバムじゃん」
あゆ「山本さんのお姉さん乗ってるんじゃない？」
女子は、みんなアルバムに食い付いていた
かおりん「雅さんっていうんだね」
俺は、女子の会話を聞いて思い出した
S「バイバイ、相葉くん」
あの、満面の笑みでの事を思い出した
そして、放課後
俺は、アルバムを広げ‥
A「山本雅、山本雅」
その人物を探していて、見られていた事に気付いていなかった
A「山本‥」
S「5組」
俺は、声がして教室の扉をみると
櫻井くんがボール片手にこっちに歩いてきた
S「5組だよ」
A「あ、ごめん。その‥」
俺は、机に急いでしまうとシュンと俯いた
S「見せて？俺も見た事ないから」
A「はい」
俺は、おもむろにアルバムを出した
S「どうも」
櫻井くんは、そう言うとアルバムを引き寄せ
ページをめくり
S「はい、ここ」
俺が、わかるように教えてくれた
A「綺麗」
S「実物はもっと綺麗」
俺は、苦笑いを浮かべ
A「言うと思った」
S「ハハ‥」
A「ひょっとして一目惚れ？」
S「そうだよ、悪い？」
A「あ、じゃ告白したの？付き合おうって」
S「うん。だけどこいつ、男いたから」
A「え、じゃ櫻井くんが奪ったってこと？」
S「そう」
A「好きだったんだね」
俺は、そう言うと櫻井くんを見た
櫻井くんの目から涙が溢れ落ちていた
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作者名：夏智 | 作成日時：2015年10月9日 1時
