彼の感情を読み取るのは難しい (ページ3)

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初配信の後はページ3

初配信何とか終わった

｢…三枝(さんし)さんと不破さんだったっけ｣

三枝(さえぐさ)さん…なのか？

｢まぁ三枝(さんし)さんでいいや｣

それよりもな黛いたことに驚いた…
単純に嬉しかったな

ピンポーン

｢誰だ？｣

宅急便だっけ…いや最近頑張って通販やめて
外出て買い物してるからありえないか

｢あ｡黛か｣

インターホンを覗くと黛が薄着で立ってた
いくら暑くなってきたとはいえ夜はやはり冷える

｢黛｡どうしたのさ｣

黛｢たまたま近く通ったから｣

そういう黛の目は少しほかの方を見ていて
嘘をついてるんだとはわかった

｢まぁ中入って｡いくら暑くなってきたとはいえ夜は冷えるから｣

黛｢…お邪魔します｣

｢うん｣

まぁとりあえず中に入れた方がいいからね
────────────────
(視点:黛灰)
近く通ったからと言って嘘をついてしまった
まぁ多分気づいてるだろうけど
本当の理由はそんなことじゃなかった

黛｢(Aに会いたいから来たなんて言えないし)」

長年の付き合いだからほとんど一緒にいたA
気がついたらAのことが
恋愛的に好きになってたみたいだった
そんなことを言ったら今までよりも話す機会も減る
それに同性愛なんて気持ち悪いとか思われるから
ずっと言わないでいる

｢ほら｡ココア｣

黛｢ありがとう｣

｢黛が見てるとは思わなかったな｣

黛｢まぁ誘ったの俺だし｡それにAが事故起こさないか気になったし｣

｢俺が事故起こしまくるみたいに言わないで欲しいな｣

そういい笑うA
他の人から見たら確かに笑ってるようには
分からないけど､俺にはわかる｡声の高さとか,表情で
表情から読み取るのは難しいらしいけど
確かに俺だって最初の頃はわからなかった
感情も知らないAIに似てるとか思ってたけど
一緒にいるうちにだんだんわかってきた

｢黛｡施設は？｣

黛｢出かけてくるって言ったから｡帰った方がいい？｣

｢まぁ時間が時間だけど｡この時間はさすがにあれだし｣

｢泊まっていきな｡俺の服くらい貸すよ｡大して身長変わらないし｣

黛｢じゃあ泊まってく｣

｢それなら風呂沸かせてくるから｣

黛｢うん｣

なんやかんや優しいのがAの良さなんだと思う
そのせいで他の人に頼られるのが嫌だ

黛｢俺だけのものになればいいのに…｣ﾎﾞｿｯ

1人になったリビングでそう呟いた
でもそんな声は一瞬にして消えてった