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『ソクジンさん？』
JN「やっと起きた。だから言ったでしょ？お酒は飲まない方がいいって。」
『お酒…っ、』
体を起こそうとすれば、頭がズキッと痛む。
JN「テヒョンはかなりキツくしかっておいたよ。
いい？男の家に二人きりなんて、本当に危ないからね。
…まぁ、あいつも、僕を思ってしたことなんだろうけど。
ほんと、いつもあいつには振り回されるよ。」
ここはテヒョンの家で、目の前にはソクジンさんがいて。
何故、このような状況になっているのか。見渡してもテヒョンはいない。
まだ体の中にお酒が残っているのか、少しだけ気持ちがフワフワする。
そうでなければ、ソクジンさんと２人きりでいるこの状況に発狂でもしていただろう。
『じゃあ、今この状況も危ないですか？
私とソクジンさん、２人きりです。』
そう言えば、綺麗な瞳を少しだけ細め、困ったように笑った。
JN「そうかもね。あんまりこの状況も良くないかもしれない。
僕さ、決めていることがあるんだ。」
静かな２人きりの空間に、柔らかくて甘い声がポツリ、ポツリと落とされる。
JN「まず、クリスマスはカフェを休む。
クリスマスってのは、大切な人と過ごす特別な日だからね。」
急に何の話が始まったのだろう。
今度こそ体を起こして座り、ソクジンさんを見つめる。
JN「行動しなくて後悔するよりも、行動して後悔する方がよほど良い。
だから、思ったらすぐ行動に移すこと。」
『ソクジンさん？』
JN「最後まで聞いて。」
『はい。』
私を見つめる瞳が少しずつ熱を集めていく。
彼の緊張が私にも伝わってきて、ゴクリと小さく唾を飲み込んだ。
JN「あとね。
Aに今度会えたら、ちゃんと伝えること。
もう、Aが僕のことを好きでなくても、これだけは伝えないと気が済まない。
臆病で意気地なしな僕だから、伝えるのが凄く遅くなってしまった。
いい？一度しか言わない。
…好きだよ、A。」
クリスマスイブの夜、世界中の時計の針が、まるで魔法がかかったかのように動きを止めた気がした。
JN「本当は2年前にちゃんと伝えるべきだったんだ。
Aが突然いなくなって、どれほど後悔したか。
もし、Aに気持ちを伝えていれば、今でも僕の隣で笑っていてくれたかなって。
何度も何度も、連絡が取れなくなったクリスマスを思い出しては、Aが僕の中でどれほど大きくて大切な存在なのかを思い知ったよ。」
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作者名：あまなのよし。
| 作成日時：2020年12月25日 0時
