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驚いて、ついソクジンさんの顔を見てしまった。
あの頃よりもさらに、カッコよくなって、どことなく大人の色気というものが増しているソクジンさん。
久しぶりに見るその顔に、涙は簡単にも溢れだそうとする。
拳をギュッと握って寸前のところで耐えた。
JN「違った？」
ソクジンさん、やっぱり私に気づいてる。
気づいたとして、きっと他人のフリをされると思っていたけれど、どうやら違うらしい。
普通に話しかけてくるソクジンさんに、私は戸惑う。
JN「ジンジャーエールでいい？」
『なんで勝手に決めてるんですか。
私も皆さんと同じようにお酒を飲みます。』
JN「だから、ダメだよ。お酒なんて飲んだら。」
『さっきは飲みすぎないように…って言っていたじゃないですか。』
TH「…ヒョンとAちゃんって知り合い？」
私とソクジンさんのやりとりを不思議そうに見ている残りの６人。
ジミンだけは機嫌良さそうにメニュー表を眺めている。
JN「知り合い…っていうか、」
『私、昔ソクジンさんの店の常連だったの。
ただ、それだけだよ。』
ここで元カノです、だなんて言えるわけがない。
しかも、元カノと言える程の存在でもなかったし。
JN「…そうだね。よくお店に来てくれていたよ。」
ソクジンさんも私に話を合わせてくれた。
ソクジンさんに目を奪われたレディたちは安堵の表情を浮かべる。
あんたたち、分かりやすいな。
結局、ソクジンさんによって私はジンジャーエールを注文され、みんなで乾杯をする。
この状況、飲まずにやってられっか！！！
そう心の中で悪態をつきながら、ノンアルコールのジンジャーエールをぐっと飲み干す。
そんな私の隣で無表情でお酒を飲むソクジンさん。
今、どんな心境なのだろうか。
お酒の量に比例して饒舌になっていくみんな。
ソクジンさんは私の隣で黙々とご飯を食べている。
ソクジンさん、料理を作るのも好きだけど、食べるのも好きだったもんな。
よく、一緒にご飯を食べた。そんな数少ない幸せな思い出が頭に浮かんできては、炭酸の泡のようにピリッとした辛さを喉に残してシュワッと消えていく。
それから特にソクジンさんと話すわけでもなく、隣の爽やかイケメンの話に適当に相槌を打っていると、あっと言う間に合コンは終わりの時間となった。
元カレと会ったって、特に何も奇跡は起こらないし、ただ、苦い思い出に息が詰まるだけ。
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作者名：あまなのよし。
| 作成日時：2020年12月25日 0時
