・ ページ23
他愛のないことを話していると、あっと言う間に集合時間となり、指定しているお店へと向かった。
綺麗な格好をしている女の子３人。
いかにも、気合が入っていますというオーラがにじみ出ている。
テヒョンの友達は、テヒョンやジミンまでとは言わないが、それなりに整った顔をしていて、目が合うと爽やかな笑顔を浮かべた。
悪い人では無さそうだ。
ジミンの隣に座ろうと思っていたが、気合十分のレディたちに追いやられ、気付けば通路側から、空席、私、爽やかイケメン、レディ３号という順になって座っていた。
ちなみに、向かいの席は、通路側からレディ２号、ジミン、レディ１号、テヒョンという順で、かろうじての救いは、目の前がジミンだということだろうか。
そして、空席…テヒョンのお兄さんがまだ来ていないのだろうか。
TH「あ、ヒョン！こっちこっち。」
テヒョンが立ち上がって、私の背後に向けて手をブンブン振っている。
どうやら来たらしい。
というか、初対面の男の人に挟まれるなんて、本当に辛いのだけど。
さっさと抜け出そう。
「やあー、テヒョン！お前、今日２人でご飯を食べようって言ってなかった？」
クリスマスソングに混じって聞こえたその柔らかい声に、心臓がドクッと音をたてる。
いや、まさか…。幻聴か何かだろう。
だって、こんなところにいるなんて、ありえる？
私の目の前に座っているジミンは、私の後ろを見て細い目を珍しく見開いて驚いている。
その反応からして、きっと、幻聴なんかじゃないらしい。
JM「テヒョン、お前のヒョンって…」
TH「ジミン、知ってるの？ソクジニヒョンのこと。」
あぁ、本当に。だから、クリスマスなんて大嫌いなんだ。
TH「まぁ、ヒョン、座りなよ。
みんな、ヒョンを待っていたんだよ。」
JN「せっかくの休みなのに。お前、後で覚えといてね。」
ソクジンさんはもう、私に気付いただろうか。それとも、もう私のことなんて忘れちゃった？
先程、テヒョンは、ソクジンさんは彼女にフラれて、それを引きずっているって言っていた。
あの彼女にまたフラれたのかな？
そして、それでもまだ好きでいる。
ソクジンさんにとって、それほど、大切で唯一無二の存在なんだ。
JN「ねぇ、何飲む？」
顔を合わせないようにと俯く私に、ソクジンさんは飲み物のメニュー表を見せる。
JN「お酒、あんまり強くないんだから飲みすぎないようにね。」
『え。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 917人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまなのよし。
| 作成日時：2020年12月25日 0時
