冬に溶ける体温。 (ページ19)

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【JN】クリスマスなんて大嫌いだ。ページ19

この軽快なリズムや赤と緑の装飾、カラフルに彩られたツリーなんかを見ると、嫌でもあの日を思い出して、店内の音響の電源をコンセントごと引っこ抜いてやろうか、なんて衝動に駆られる。

私は、この日をXデーだなんて心の中でカッコよく呼んでるけど、正しくは、クリスマスイブと言う。

またの名を、大好きだった彼氏と別れた日…とも言う。

あの関係を恋人だなんていうピンク色の言葉で表現していいものなのかも微妙だけど。

JM「また、やさぐれてんね。」

『ジミン。この音楽、辞めてくれないかな。
クレーム入れていいかな。』

JM「好きにしなよ。
言っとくけど、そんなことをした日には、僕はお前との縁を切らせてもらうよ。
クリスマスに嫉妬するなんて、恥ずかしい。」

『親友に対する言葉かね、それ。』

JM「親友ねぇ。」

『そんなこと言うなら、私は今すぐ帰るぞ。
何が合コンだ。
私はそんなものに興味はない。』

JM「そんなこと言ってるから、彼氏できないんでしょ。
クリスマスだよ？
昔の男は忘れて、新しい恋でも探しなさい。」

『とか言いながら、絶対頭数揃えに連れてこられただけじゃん。』
JM「だって、テヒョンが女の子が1人足りないとか言うから。」

幼なじみのジミンに首根っこを掴まれてやって来たのは、合コン。

合コンなんて、初めてだし、人見知りの激しい私が、そんな会で呼吸ができるわけがない。

ジミンの会社の同僚のテヒョンという人が幹事をしているらしく、女の子が1人、急遽来られなくなったのに対し、ジミンが〝あ、じゃあ僕、1人知ってるよ。〟なんて、私を生贄に差し出したらしい。

TH「あー、君がAちゃん？
よく、ジミンから話聞いてたけど、想像以上に可愛いね。
ジミン！今日俺、この子がいい！！」

JM「Aに手を出してみろ。
僕、お前に何するか分かんないよ。」

ひひっと人懐っこい笑顔を浮かべるテヒョンと、それをじーっと呆れた表情で見るジミン。

ジミンから、〝テヒョンは顔はいいよ。ぶっとんでるけど。〟

とよく聞いていたけど、なんとなく、言葉の意味が理解できる。

TH「始まる前にジミンやAちゃんと話したかったからさ、少し早めに来てもらったんだ！」

JM「お前、暇だね。」

TH「でも、こうやってクリスマスイブに呼んで来られるってことは、ジミンも暇なんでしょ？」

笑顔でジミンの辛辣な言葉に返せるテヒョンを、私は尊敬しようと思った。

近くのカフェに入って3人で座る。