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「…どう？泣き止んだ？」
『はい、ごめんなさい…』
「謝らないでよ！Aちゃんとハグ出来ちゃって僕は幸せ〜」
おちゃらけてみせるジミンさん。
表情から優しさが滲み出している。
「Aちゃん、僕を信じて。君はすっごく頑張ってたよ。」
『…信じます。』
「明日、頑張ってね！」
そう言って彼は私に桃味の飴を1つくれた。
帰り道に食べたその味は、
ほんのり甘くてなんだかジミンさんみたいだった。
その日は久しぶりにぐっすりと眠れた。
もう残ってるはずなんてないのに、
どうしてかほんのりと桃の香りがして。
眠りにつくその時までジミンさんが頭から離れなかった。
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そして、迎えた模試当日。
明らかに前回とは手応えが違った。
ペンがスラスラと進んで、自分でも驚くくらいに解けた感覚があった。
ジミンさんと出会ったあの日、私がどん底にいたあの日から2週間。
以前にも増して、勉強に精を出した結果が出た気がした。
「やめ！ペンを置きなさい！」
そう声がかかった時には、私の心は達成感で満ち溢れていた。
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その模試の日からまた一週間が経って、模試の結果が返ってきた。
学校が終わって、真っ先にあのツリーへと駆け出した。
早く、
早くジミンさんに会いたい…
『…、っは、はぁ、』
でもそこには見慣れたサンタ帽の彼はいなかった。
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作者名：あまなのよし。
| 作成日時：2020年12月25日 0時
