検索窓
今日:32 hit、昨日:40 hit、合計:276,087 hit

満たされない感情。 ページ10





「終わりじゃないぞ、伏黒」


刹那、凄まじい轟音と共に床を突き破って落ちていく二人。

『あ、ダメ!お願い、二人を助けて!』


近くにいた恵くんの術式である蛙に懇願する。

そのお陰では無いだろうが、蛙はその長い舌で彼らを引き上げた。


ボロボロの恵くんと、傷ひとつ付いていない東堂先輩。


どちらが有利かなんて一目瞭然なのに、それでもなお恵くんを傷めつけようと腕を振り上げる。


やっとできた後輩。
可愛くて大好きな後輩。

____もう失いたくない後輩。



考えるより先に、口走っていた。


()流溜水溺(るるすいでき)!!』


きっとこの時の私は頭が正常じゃ無かったんだと思う。

先輩の周りを大量の水が渦巻き囲む。

まるで水が意思を持ったかのように渦は狭まり、彼を大綱の如く強く締め付けた。


水の中で呼吸は上手くできないはずだし、手足も十分に動かせないだろう。


さらに力を込めて締め付けを強くする。

渦中から先輩のもがくような声が聞こえた。


「っ宮眞先輩、もう…!」


恵くんが私を後ろから抱きしめて、術式を発動するために合掌していた手を離した。



当然術式は消え、肩で荒い呼吸をする東堂先輩が私に近づいてくる。


ここでやっと、私の頭は冷えて正常に戻った。

____私、なんてことを…!


だんだんと近づいてくる東堂先輩と、自分がしてしまったことへの恐怖で体が震える。

そんな私に気づいたのか、恵くんは私を抱きしめる腕に力を込めた。


先輩は私の前で歩みを止める。

怖くて顔が見えないけど、きっと怒ってる。


殺される、そう覚悟したとき、先輩が口を開いた。



「_____Aさん、貴方はやっぱり…」






______最高に面白い女だよ。





満たされない感情。→←満たされない感情。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (391 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1855人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

快晴(プロフ) - コメント失礼します!伏黒君のお日さま、可愛すぎましたよね!!ずっと記憶に残ってますッ!パンダに顔を埋めてみたい、、っておもいました!(?) (6月2日 20時) (レス) @page42 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます!ですよね!!早速共感がもらえて嬉しいです!コメント読みながらうん!うん!って頷いてました笑 個人も好きだけどペアも好きにさせるとか罪な男すぎて推しちゃいますよね…!!今のところは夢主に恋愛感情向けさせようと思ってます!! (5月29日 15時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 快晴さん» 三輪ちゃんと夢主のコンビは、髪色とか雰囲気とかの相性が合うように書いてます笑 いい子同士絶対仲良くさせる…!と意気込んでいたのでついにその一歩が踏み出せて嬉しいです…! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - はぁぁぁぁ!?!?幸吉くんのところクソわかるんですけど!!三輪ちゃんと結ばれて欲しいけどあの体で愛されたいジレンマ起こってるのわかりすぎてつらいんですけど!!ありがとうございます!!!! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 三輪ちゃんと夢主ちゃんのコンビが個人的に可愛すぎます!!次も楽しみです!!!! (5月29日 10時) (レス) @page40 id: 49bca02885 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あわ | 作成日時:2023年5月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。