後輩達を甘やかしたい

開幕。 ページ43

・No side




「虎杖悠仁、お前に一つ聞きたいことがある」


______どんな女がタイプだ？



真希の合図でパンダ班と恵班に分かれたあと、虎杖と東堂は一戦交えていた。

最初こそ一方的な攻撃に手が出なかった虎杖だがその強靭な肉体で何とか耐え持ち、今、東堂の決まり文句に対峙している。


「女の好み(タイプ)？なんで今そんなこと聞くんだよ」

「気にするな、ただの品定めだ」


虎杖は東堂の言葉に一瞬怪訝な顔を見せたものの、その後真剣に答えを出そうと考える。


「よく分かんねぇけど、強いて言うなら…」

「…………」



「尻(ケツ)と身長(タッパ)のデカい女の子かなぁ…
あーでも、スタイル関係なくただ純粋に優しくて芯が強い子もいいなーって最近思うようになった」

「！！」



瞬間、東堂の脳内に溢れ出した存在しない(・・・・・)記憶。





「俺、高田ちゃんもAさんも、どっちも好きだ」

「えー俺断然A先輩派」

「…分かった、高田ちゃんに告ってフラれたらAさんに告ろう」

「何が分かったんだよ！？やめとけ！！俺お前慰めんの嫌だぞ！？」


桜吹く校舎の廊下、親友(ベストフレンド)の二人はそんな会話を交わしていた。


「なんでフラれる前提なんだよ」

「逆になんでOKもらえると思ってんだよー…」

「かのアン・サリバンはヘレン・ケラーにこう説いた。"やる前に負けることを考える馬鹿がいるか"と」

「それ言ったの猪木だろ」


*


_______ごめんなさい、私好きな人がいるの

_______東堂先輩は、その…先輩としては好きなんですけど…



*


「好きな人が俺ってパターンは… "先輩として好き"は"異性として好き"の上位互換だったり…」

「ある訳ねーだろ。…オラ、行くぞ」



______ラーメン、奢ってやるよ





「地元じゃ負け知らず…か」

「？」


「どうやら俺たちは"親友"のようだな」

「今名前聞いたのに！？」



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