痛いほどに愛おしい。 ページ32
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_____君、夏油のお気に入りじゃん
夏油、その名前に全身の血が疼いた。
「ねぇ、僕たちのところにおいでよ。宮眞Aちゃん。大切にするよ、僕も夏油も君のこと」
_____どうして私の名前を知ってるの?
うっとり、恍惚とした表情で私を見つめるその呪霊。
左右で色の違う双眸に捕らえられて体が動かない。
『そんなの、行くわけないでしょ』
「…へぇ、僕聞き分けのない子は嫌いなんだよね」
呪霊が悠仁くんを掴んでいるのとは反対の腕をこっちに伸ばしてくる。
「でも君は好き なんでかな?」
『____
向こうに隙が出来た瞬間、術式を発動し相手に毒を回した。
バンッと大きな音がして呪力の毒によって急速に腐敗した呪霊の両腕が破裂する。
解放された悠仁くんは受け身をとって着地した。
破裂した腕から桜の花びらがひらひらとこぼれ落ちて床に散るのを、呪霊は唖然とした表情で見つめている。
『悠仁くんは順平くんを!この呪霊は私がなんとかするから!!』
「っでも、先輩!!」
『大丈夫!とにかく順平くんを守って!』
何か言いたそうに口を噤んだ悠仁くん。
そして、不安そうな顔をしてこちらを見る順平くん。
_____ああ、そんな顔しないで。順平くんのせいじゃないから。
「油断しちゃダメでしょ?」
『っ!』
物凄いスピードで近づいてきた呪霊から咄嗟に距離をとる。
ずっと思ってたけど、この強さ、会話ができるほどの自我______
『____貴方、特級?』
「うん、そうだよ!」
ダメだ、相手が特級だとしても怯んだらいけない。
少しでも怖がる素振りを見せたら向こうは悦んでもっと鋭い攻撃をかけてくるに違いない。
「あんまり手荒な真似はしたくないなぁ。可愛いから形も変えたくない」
『
強い呪力を込めて、呪霊の全身を凍らせた。
冬の呪いは時間が経つにつれ強くなる。
早く氷を割るなり溶かすなりしないとそれはダイヤモンドのように硬くなり、何かしらの手を加えないと戻らない。
今回は最初から強い呪力を込めたから、そう簡単には氷を壊せないだろう。
案の定、呪霊は氷に包まれたまま動かない。
_____今がチャンス…!
次の技を繰り出そうと両手を合わせた瞬間、
『ッ!なんで、』
私の厚い氷が、ガラスのように光りながら床に転がった。
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快晴(プロフ) - コメント失礼します!伏黒君のお日さま、可愛すぎましたよね!!ずっと記憶に残ってますッ!パンダに顔を埋めてみたい、、っておもいました!(?) (6月2日 20時) (レス) @page42 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます!ですよね!!早速共感がもらえて嬉しいです!コメント読みながらうん!うん!って頷いてました笑 個人も好きだけどペアも好きにさせるとか罪な男すぎて推しちゃいますよね…!!今のところは夢主に恋愛感情向けさせようと思ってます!! (5月29日 15時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 快晴さん» 三輪ちゃんと夢主のコンビは、髪色とか雰囲気とかの相性が合うように書いてます笑 いい子同士絶対仲良くさせる…!と意気込んでいたのでついにその一歩が踏み出せて嬉しいです…! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - はぁぁぁぁ!?!?幸吉くんのところクソわかるんですけど!!三輪ちゃんと結ばれて欲しいけどあの体で愛されたいジレンマ起こってるのわかりすぎてつらいんですけど!!ありがとうございます!!!! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 三輪ちゃんと夢主ちゃんのコンビが個人的に可愛すぎます!!次も楽しみです!!!! (5月29日 10時) (レス) @page40 id: 49bca02885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あわ | 作成日時:2023年5月8日 17時