後輩達を甘やかしたい

まだ見ぬ姿。 ページ3

・



「その人も乙骨なんとか先輩みたいに海外にいるんじゃなくて？」

「いや、つい最近高専で会ったからそれは無い」

彼女を探してキョロキョロと辺りを見渡す伏黒に気づいたパンダが、二人に近寄る。


「…Aは、昨日一年が死んだって聞いてから部屋に閉じこもって出て来ねぇんだ」

「…そうなんですか」

「え、その宮眞先輩って虎杖と関わりあったの！？」



「いいや」

そしてAの話題に反応した真希と棘も側に寄ってきた。


「特別関わりがあったわけじゃねぇが、アイツが一番一年との交流を楽しみにしてたからショックなんだろ」

「しゃけ」


_____え、何それめっちゃ良い先輩。



「アイツ昨日泣きながら寮の部屋に帰ってきたと思えばそういうことかよ。
あーくそ、気の利いた言葉の一つもかけてやれなかったじゃねぇかよ！」

「まあまあ、そんなカッカすんな真希。
本題忘れてんぞー」


三人が横に並んで二人に向き合う。


「いやぁすまんな、喪中に_____許して！この通りだ…！実はお前らに京都姉妹校交流会に出て欲しくてな」

「京都姉妹校交流会？何それ」


聞き慣れない言葉に首を傾げた釘崎に、すかさず伏黒が説明する。


「京都にあるもう一校の高専との交流会だ。
…でも二、三年メインのイベントですよね」


「その三年のボンクラが停学中なんだ。だからお前ら出ろ」


釘崎は顔を顰めた。


「その交流会って何すんの？スマブラ？Wii版なら負けないわよ」

「だったらオレらだけでやるわ」




・

まだ見ぬ姿。→←まだ見ぬ姿。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す