ヘリオトロープを辿って。 ページ17
・順平side
校舎の陰から出てきた宮眞さん。
きっと、お昼時になっても教室にいない僕を不審に思って探しに来たんだろう。
「あっ、宮眞ちゃん…俺らちょっと吉野ちゃんに相談あって、話してただけなんだよ、なぁ?」
「そ、そうそう。あ、それよりお昼まだ?ウチらと一緒に食べよーよ」
優しくて可愛い宮眞さんに嫌われたくないのか、べらべらと誤魔化すような嘘をつく不良たち。
しかし、宮眞さんは怒りを含んだ声で答えた。
『先に私の質問に答えて。______何してるの?』
「だ、だから、ちょっとした相談を____」
『嘘!順平くん傷だらけだし、今にも殴ろうとしてたじゃない…!』
ああ、どうして僕のためにそんなに怒ってくれるんだろう。
今日が初対面なのに、自分の危険を顧みないで。
『謝って!…順平くんに、謝って…!』
彼女が強く握った拳は、怒りからわなわなと震えている。
「は、はぁ?なんでだよ!まずこいつがつばさの胸を見てたのが悪いだろ!!」
「っだから、見てないって言ってるだろ!!」
何故だか、宮眞さんには誤解を残したままにしておきたくなくて即座に否定する。
「で、でも!こいつは私に酷いこと言ったのよ!
私ならヤらせてくれそうだって…!」
不細工な顔を歪めて宮眞さんにそう訴えるつばささん。
_____宮眞さんに、そんな不純な言葉を吐きつけるなよ。
一瞬、宮眞さんの瞳から光が消えた。
『____そんな…本当にそう言ったの?順平くん、』
「…うん」
事実だからとはいえ、さすがに宮眞さんも僕に幻滅するよな。
すると彼女は、しばらく俯いたのち僕に近づいて強く頰を叩いた。
「…っ!?」
突然の痛みに思わず頰を抑える。
まさか、ここまでされるとは思わなかったから驚いて目を見開いた。
「おぉ〜意外とやるな、宮眞ちゃん」
「なかなか良い一発だったぜ___」
『うるさい!!』
ふと宮眞さんの表情を見ると、溢れんばかりの涙を目に溜めていた。
不良達には背を向けているため見えないだろうが、彼女はその涙をこぼさないように耐えている。
「宮眞さん…、」
『順平くんも、謝って』
そして、まるで不思議な魔法にかけられたかのように、彼女の声に従ってしまうのだ。
「______ごめんなさい」
_____酷いこと言って、ごめんなさい。
『はい、次は貴方たちの番』
「…はいはい、すいませんでした」
不良たちはそれだけ、舌打ちを残して去っていった。
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快晴(プロフ) - コメント失礼します!伏黒君のお日さま、可愛すぎましたよね!!ずっと記憶に残ってますッ!パンダに顔を埋めてみたい、、っておもいました!(?) (6月2日 20時) (レス) @page42 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます!ですよね!!早速共感がもらえて嬉しいです!コメント読みながらうん!うん!って頷いてました笑 個人も好きだけどペアも好きにさせるとか罪な男すぎて推しちゃいますよね…!!今のところは夢主に恋愛感情向けさせようと思ってます!! (5月29日 15時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 快晴さん» 三輪ちゃんと夢主のコンビは、髪色とか雰囲気とかの相性が合うように書いてます笑 いい子同士絶対仲良くさせる…!と意気込んでいたのでついにその一歩が踏み出せて嬉しいです…! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - はぁぁぁぁ!?!?幸吉くんのところクソわかるんですけど!!三輪ちゃんと結ばれて欲しいけどあの体で愛されたいジレンマ起こってるのわかりすぎてつらいんですけど!!ありがとうございます!!!! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 三輪ちゃんと夢主ちゃんのコンビが個人的に可愛すぎます!!次も楽しみです!!!! (5月29日 10時) (レス) @page40 id: 49bca02885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あわ | 作成日時:2023年5月8日 17時