満たされない感情。 ページ12
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すると、棘くんが凄い勢いで駆け寄ってきた。
「
『…ごめんね、本当に。そんなつもりじゃなかったんだけど…』
心配させちゃったか…と俯くと、棘くんは私の頭に手を伸ばし、優しく撫でてくれた。
「
その言葉に、じんわりと胸の奥から暖かくなっていく気がする。やっぱり棘くんは優しい。
***
「帰るぞ真依」
『野薔薇ちゃん遅くなってごめん…!真希ちゃんも大丈夫!?』
私が東堂先輩と一緒に野薔薇ちゃんたちの元へ戻ると、何やら凄いことになっていた。
「ヨユーだ」
「そんな…Aさん、伏黒は…」
不安そうな面持ちで尋ねる野薔薇ちゃん。
もう誰も失いたくないんだろう。
そんな彼女を安心させるように微笑む。
『大丈夫。恵くんにはパンダくんと棘くんがついてるよ』
私がそう言うと、野薔薇ちゃんはほっと息を吐いて脱力した。
「楽しんでるようだな」
「冗談!私はこれからなんですけど」
「駄目だ。お前と違って俺にはまだ東京に大事な用があるんだよ」
______高田ちゃんの個握がな…!!
『高田ちゃん…?』
「なっ、も、もちろん一番はAさんですよ!!いつでも京都校来てください!待ってますから!」
高田ちゃん、聞いたことはあるけど名前が思い出せなくて眉を顰めながら記憶の糸を手繰り寄せていると、東堂先輩は何故か必死に弁解していた。
それに私が一番とかちょっと照れるし…
「それじゃあAさん、また!」
と、背を向けて去っていくのを見て、忘れていた事を思い出した。
『あ、待って!』
咄嗟に両手で彼の逞ましい腕を掴む。
それを見た真依さん、真希ちゃん、野薔薇ちゃんがギョッとする。
『…酷いことしてごめんなさい。痛かった…ですよね。あの時は私正常じゃなくって…もちろんちゃんと(怪我をさせてしまった)責任はとるので…!
でも私、本当に東堂先輩のことが(先輩として)好きだし、(呪術師として)かっこいいと思ってるんです!だから今日先輩を見て、改めて(私も沢山鍛錬して)もっと先に進みたいな…って思いました』
伝え忘れていた謝罪。
言ってる途中、なんだか小っ恥ずかしくなって顔が赤くなってしまった。
しかし、私が言い切ると辺りに静寂が訪れた。
『東堂先輩…?どうしてそんなに顔が赤___』
「東堂、テメェ分かってるよな」
「憲紀に言いつけてやるわ」
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快晴(プロフ) - コメント失礼します!伏黒君のお日さま、可愛すぎましたよね!!ずっと記憶に残ってますッ!パンダに顔を埋めてみたい、、っておもいました!(?) (6月2日 20時) (レス) @page42 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます!ですよね!!早速共感がもらえて嬉しいです!コメント読みながらうん!うん!って頷いてました笑 個人も好きだけどペアも好きにさせるとか罪な男すぎて推しちゃいますよね…!!今のところは夢主に恋愛感情向けさせようと思ってます!! (5月29日 15時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 快晴さん» 三輪ちゃんと夢主のコンビは、髪色とか雰囲気とかの相性が合うように書いてます笑 いい子同士絶対仲良くさせる…!と意気込んでいたのでついにその一歩が踏み出せて嬉しいです…! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - はぁぁぁぁ!?!?幸吉くんのところクソわかるんですけど!!三輪ちゃんと結ばれて欲しいけどあの体で愛されたいジレンマ起こってるのわかりすぎてつらいんですけど!!ありがとうございます!!!! (5月29日 15時) (レス) @page39 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 三輪ちゃんと夢主ちゃんのコンビが個人的に可愛すぎます!!次も楽しみです!!!! (5月29日 10時) (レス) @page40 id: 49bca02885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あわ | 作成日時:2023年5月8日 17時