38.サヨナラの意味 ページ38
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今日、双子座一位だったの。
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好きな人が幸せになれる日。もしかしたらその相手はあなただったりして？ラッキーアイテムはピンク色のタオル。
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ボロクソでしょ？やっぱり当たんないよ。あんな占い。
だって好きな人は幸せになるけど、その相手は俺じゃないし。
ましてやピンク色のタオルとか俺持ってねぇし(笑)。
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だからね。
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最後の悪あがきに来たんだ。
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「…できました」
和也「おー。サッパリサッパリ」
「大して切ってないですけどね？」
和也「え？」
「まっっったく見栄え変わってませんけどね？」
和也「あっれ…、おっかしいな…耳鼻科行こうかな…」
「聞こえてるでしょ！」
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触れた唇の体温は、つめたかった。
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あのキスは二宮さんにとっての区切り、みたいなものなんだろうなと
心の奥底でそう直感に思う。
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人は時たま、「今日もしかしたら」なんて嫌な予感とか。想像したことが現実に起きることがある。
きっと二宮さんはそれを感じた。
私が今日、覚悟を決めると知っていたのかもしれない。
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今日覚悟を決めると、私さえも知らなかったのに。
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「お釣りです」
和也「はいどうも」
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出口の近くで会計をすませる。
テーブルを挟んだ会話。この人ってこんなに背が高かったっけ。と
終わりに気づく。
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二宮さんが、財布に千円札をしまっていく。
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和也「好きなもんは好き。」
「…え？」
和也「欲しいもんは欲しい。」
「…」
和也「波風立てるかもしれない。」
「…」
和也「でも」
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パコン、と財布を閉じる。
財布に向けていた視線がこちらに向く。
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和也「ずっとひとりだった俺をあんな風に抱きしめてくれた人を、失いたくはない」
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ーーーー…“ずっとひとりだった”と叫ばれた深夜一時頃。
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和也「初めて見つけた君を、困らせたくはない」
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困ればいいよ。って言った人は
どこのどいつだよ。
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