36.もしかしたらの話 ページ36
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＊「橋本さん、大丈夫ですかね…？」
○「さぁ…、どこ見てんだろ」
＊「お昼休み明けてからずっとあんなんで。生けた屍みたいな状態になっちゃってて」
○「ずっと一点ばっかり見てるね」
＊「未来でも見据えてるんでしょうか…」
○「いやさすがにそれはロマンチストすぎるから」
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何でも屋さんと顔は違うけど完璧なコピーしてもらってデートしてもらったんだー。
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『そ、…れはどういう…』
桃香『世の中って便利だよね？』
『えぇ…』
桃香『橋本さん知ってた？何でも屋さんって実際にこの世にいるんだよ！探偵とかそういうのってテレビの中だけだと思ってたんだけどなー』
『はあ…』
桃香『すぐ近くの雑居ビルあるじゃん？そこにいるんだよ、な・ん・で・も・や！』
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クフフ、って嬉々と笑うこの人を
私は初めて女って恐ろしい…。と心から思った。
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(まさか…)
(…それしかない)
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お昼休み中に春香にラインを送っておいた。
私の推理通りなら、それしかない。
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今すぐ
そして確かめたい。
あなたは…、あなたは。
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カランカランと来店を知らせる鐘が鳴る。
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＊「橋本さん！お客さんです！」
「……」
＊「橋本さん！」
「…」
＊「もう！はし…」
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和也「死んだ顔してんなぁ、橋本サン(笑)」
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ゴホッと呑み込んだ唾液が喉に突っかかった。
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アシスタントちゃんの背後からひょこっと出てきたイケメン。
その人は数日見ていなかった、二宮さんで
思わぬ訪問に油断していたから、ゴホッゴホッと噎せてしまう。
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「なっ…にしにきたんですか」
和也「イヤイヤ。何しに来たって髪切りに」
「この前散髪はもういいって」
和也「え？俺そんなこと言ったっけ？」
「言いました！」
和也「ごめん俺、寝たら記憶なくなるんだよね…」
「鳥か！ニワトリか！」
和也「鋭いツッコミあざーっす。でも今日は散髪に来たんで。早く切ってください」
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やっぱりこの人は
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和也「橋本サン(笑)」
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タチが悪い。
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