24.スキップ＆ステップ ページ24
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外は晴れ。どうやら朝方まで雨は降っていたらしく
外に出ると地面に水たまりが出来ていて、私はそれを避けて歩いた。
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朝、テキトーに縛っていた髪の毛はきちんとセットして、メイクもして、お気に入りの服を着て
天気がいい街を歩く。それだけでなんだか気分がいいんだから、もしかしたら私の幸せは安いのかもしれない。
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電車に乗って、まず向かったのはネイルサロン。春らしいネイルを施してもらって
指先が春に恋に落ちたのなら
その次はオシャレタウンに繰り出して、新しい靴探し。
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オシャレは足元からって言うし春になるし
自分ではあまり買わないヒールが高い、淡い色の可愛らしい靴を店員さんに勧められて
たまにはこういうのもいいかな、なんて買ってしまった。
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ちょっと疲れて、カフェで休憩。メニューも春っぽくなっていてさくらシフォンを食べたのなら
私はゆっくり深呼吸をして、再び電車に揺られる。
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「……よし」
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そして、今日の本当の目的地。
そこは
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「智くーん………？」
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智くんの事務所。
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聞きたいことがたくさんあった。
まず昨日のことは覚えてるのか。昨日あれからちゃんと帰れたのか。
片手にはさっきのカフェでテイクアウトした、ショートケーキが楽しそうに踊ってる。
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事務所に入ると、そこには誰もいなくて
もしかしたら留守なのかもしれない説が唱えられる。
鍵も閉めないでなんて不用心な。
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「……出ない」
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プルルルルと電話をかけても出なくて、出てくれるのは機械の音声。
鍵も閉めないんなら、そこまで遠くは行ってないはず。
なんなら窓だって空いてる。これで遠出してるんならとんだバカだ。
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「ま、いっか…」
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どうせすぐに帰ってくるでしょ。
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そう思って、ショートケーキが入っている可愛らしい箱をテーブルに置いて
いつものソファに座ろうとして、ふと手を止める。
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「飲み物買ってくればよかった…」
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ここの事務所の冷蔵庫はろくな飲み物が入ってない。
コンビニが歩いてちょっとしたところにあるから、私は財布と携帯だけ手にとって事務所を出た。
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