お迎えと試着室 ページ18
ラ「おはよ〜、ってもうお昼だけど」
昨日、夜勤だからと起きていたが
どうしても睡魔に勝てず
夜中の3時でフェイドアウトしてしまった。
「結局、3時に寝ちゃいました」
ラ「最初はみんなそんなもんだと思うよぉ」
ラウールくんについていくと
明らかに夜職の人たちが集まった通りにくる。
ラ「まずはドレス選ばなきゃ。勝負服！」
お店に足を踏み入れると
キラキラというよりギラギラしているドレスが
一面に並んでいて
眩しすぎるぐらいだった。
「私、似合いますか、？こんな派手なの、」
ラ「可愛いから何でも似合うと思うけどなぁ〜」
ラウールくんについて歩く。
これとぉ、これも！、とその腕には
すでに数着のドレス。
持ちきれなくなる前に静止する。
ラ「とりあえず順番に着てって？きたら見せて！」
言われるがまま試着室に入り、カーテンを閉める。
ピンクのドレスや、青のドレス。
白のミニドレスもあったり。
素朴な色から派手な色まで様々だが上品で
どこか抑えられたデザインばかりだった。
私の好み、分かってるのかな。
そんなことを考えながらドレスに着替える。
すると、後ろにチャックのあるドレスで
自分ではどうもうまく閉められなかった。
「ラ、ラウールくん、！」
ラ「どう？着れた〜？」
カーテンから覗いて見ると
座っているラウールくんと目が合う。
ニコっと笑って私の方へ駆けつけてくれる。
ラ「どうしたの？」
「チャックが閉めれなくて、」
試着だから閉めなくてもいいんだけど、
ラ「あ！こっちきて、うしろむいて」
そう手を引かれ試着室の外へ。
後ろを向くとラウールくんが
チャックを閉めようとしてくれている。
背中にラウールくんの指が触れた。
初めて、蓮くん以外の男の子に触れられて
ドキッとした。
変に緊張してしまいそうだった。
チャックが閉め終わり、ラウールくんの方を向くと
たった一言だけ
ラ「すっごく綺麗」
そう微笑んでくれた。
その後も試着を繰り返し、
黒と、ピンクと白のドレス
計5着購入することとなった。
「黒3着ですね？黒似合ってました？」
ラ「違うよ、黒いドレスって意味があってね〜？」
あなた以外に染まりませんって意味なんだって。
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作者名：あまつかくらげ | 作成日時：2024年3月20日 21時
