ケーキ ページ5
ある暖かい昼過ぎ。
私と(幼馴染)はキッチンに立っていた。
実は今日、母が誕生日を迎えるのである。
もう年取りたくなくなってきたななんて言う彼女だが、毎年私がプレゼントをあげるとちゃんと喜んでいる。
先日、そんな母を見て何か考えていた(幼馴染)は、母がお手洗いに行った所で私に耳打ちをしてきた。
「僕も何かあげたい。」
私の顔を見上げて首を傾げる彼に、私は「じゃあケーキ作ってみる?」と訊いてみた。
「作る!」と小声で返事をした(幼馴染)を横目に私は、材料は一日前に買えば良いかな、と考えていた。
そして現在。
買ってきたケーキのスポンジと生クリーム、板チョコとフルーツの数々。
自分の好きな苺をじっと見つめながら台に乗る(幼馴染)。
「一個食べても良いよ。」と言うと、少し躊躇いつつも口に含んだ。
私は笑ってボウルを取りだし、お湯に浮かべた。
(幼馴染)に板チョコを割ってもらい、ヘラを使って溶かしていく。
溶けたらお湯から外し、今度は別のボウルに生クリームを入れる。
氷水で冷やしながら泡立て器で素早く混ぜていく。
軽く泡立ったのを確認し、一度(幼馴染)に泡立て器を持たせる。
「ちょっとやってみて。」
彼は料理するのが初めてだと言っていたから、こう言うこともやってみると良いだろう。
(幼馴染)はボウルを左手でしっかりと押さえ、必死に泡立て器を回している。
(幼馴染)「ちょっと難しい」とこちらを向いて泡立て器を返却し、指に付いたクリームを口に入れている。
クリームの味だ、と言う声を聞きながらツノが立つまで泡立て、溶かしたチョコを混ぜた。
引き出しから一本スプーンを出して(幼馴染)に渡す。
「味見してみて。」
私がそう言うと彼はすぐさま一口分すくって、口へ運んだ。
美味しい、と目を細めてスプーンを咥えている(幼馴染)に、「今日の夜も食べられるからね。」と言った。
その後チョコクリームを冷やし、その間にフルーツを切っていく。
苺はヘタのギリギリで切り落とし、ブドウは(幼馴染)が半分にカット。キウイを輪切りにしてリンゴは(幼馴染)が好きそうな兎の形にした。
最後にクリームをスポンジに塗ってフルーツを二人でトッピングすれば、中々に美味しそうなケーキが完成した。
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亜弥萌(プロフ) - いつもコメントありがとうございます!お待たせしました。試験が終われば占ツク三昧だと思って頑張ります! (2022年3月3日 7時) (レス) id: 681e7aeda0 (このIDを非表示/違反報告)
影月・陽(プロフ) - 待ってました! 試験頑張ってください! (2022年3月2日 22時) (レス) @page2 id: 7a153d74d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜弥萌 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amatsuku1/
作成日時:2022年3月2日 15時