タイトルＡ (ページ4)

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四話ページ4

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「......今日は、一緒に帰れる?」

自信なさげにそういうから、悲しむなら私の方だよ。と、小さく悪態をついた。声には出さなかった。いや、出せなかったの方が正しいのかな。

ああ、ほら、また泣きそうな顔をする。

ずるいひとだと思った。

私はあの日のことを一度だって責めたこともなければ話を持ちかけたことだってない。

なのに、彼は、こうやって泣きそうな顔をするのだ。悪いのは彼なのに。

『ごめん、バイトあるから』

「いつなら帰れる?...もう俺と一緒にいたくない?...」

彼は意地っ張りで負けず嫌いだ。

『......いたくないって言ったら、別れるの』

少し、意地悪な言い方をした。彼がうんとは言わないような、言い方をしたのだ。だって、いつも彼からの一方的なものだったから。どうすればいいのかわからない。

私に向ける好意を素直に受け入れられなくなってしまった。嘘だと、疑ってしまうようになった。それからは空っぽだった。彼が発する言葉は全て偽りではないかと考えるようになった。

彼への想いを自覚したばかりなのに、呆気なく終わってしまいそうだ。

これも彼の策略なのだろうか。