Nineteen 真実 ページ22
Aのやることはいつもタイミングが悪い。
トイレから帰ってきたキヨがドア越しに聞いていたことに気づかなかった。
｢じゃあお前、一体何のためにここにいるんだよ!｣
ドア越しにキヨは叫んだ。
キヨは下を向き、前髪の隙間から覗く唇は噛まれていた。
｢俺が好きで一緒にいるんじゃなかったのかよ…!俺の我が儘にお前を付き合わせてたってことかよ!｣
Aもキヨもドアを開けようとはしなかった。
｢……俺のこと、もう嫌い?｣
｢あぁ、大っ嫌いだね!!｣
｢本当に?｣
Aはドアの前に立った。
キヨは気配を感じ、Aの温かみを待った。
またいつもの様にAがドアを開いてくれる。
開いた先に日常がある。
そうキヨは思っていた。
｢…こーすけたち、もう帰したから言うね。｣
またいつもみたいに。
｢俺さ｣
また
｢もう死んでるんだ。｣
その瞬間、キヨの視界がぐらついた。
立っていられなくなってぺたり、とその場に座り込む。
息が荒くなってきて、呼吸が難しい。
目からは助けを求めて水がはらはらと落ちる。
そのとき、ドアがゆっくりと開いて、Aがキヨに近づく。
｢現実から逃げてはいけないよ、キヨ。｣
そういって、キヨの瞼に口付けした。
キヨは現実に落ちた。
『Aっ……!』
キヨは息を切らして引き戸を力任せに開けた。
『…』
そこには、綺麗で冷たいA。
Aを黙って見つめるこーすけ、フジ、ヒラの姿があった。
『キヨ……Aは…もう………』
フジが目を真っ赤にして言った。
『なんだよそれ、どういうことだよ!!!!』
『A、末期癌だったんだよ。キヨには言うなって言われてたけどさ…』
こーすけが鼻水をすすりながら呟く。
『Aに声かけてあげて。』
キヨはヒラに手を引かれ、Aの横に立つ。
名前を呼んでも起きなかった。
寝息すら聞こえない。
『あ………あ……』
キヨは涙を流すことなく、その場で意識を失った。
ラッキーゲーム実況者(定番過ぎて草)
最終兵器俺達
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
僕 - やばいです…めっちゃ好きです!こんなにも素晴らしい作品、読めて幸せです！ (2019年8月30日 6時) (
レス) id: 4deb244c48 (このIDを非表示/違反報告)
ブクロー(プロフ) - なつおさん» えっ、なつおさん!!!???まさか作者様にお声をかけていただけるとは………!!!そろそろ最終回を迎えますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。短編集の方は……も、もう少しお待ちくださいいぃ!!!!!!! …¢( ;ω ;｀) (2018年6月8日 7時) (レス) id: d4f0fb810c (このIDを非表示/違反報告)
なつお(プロフ) - 本当大好きですこの作品！更新頑張ってください！短編集の方も待ってます|･ω･) (2018年6月8日 6時) (レス) id: 3ab734c067 (このIDを非表示/違反報告)
ブクロー(プロフ) - 真月さん» コメントありがとうございます!!続き、頑張って書きます!! (2018年5月17日 7時) (レス) id: d4f0fb810c (このIDを非表示/違反報告)
真月(プロフ) - 続きが気になりすぎてヤバいいぃいぃ！！！ (2018年5月16日 20時) (レス) id: 7f47a312f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブクロー | 作成日時：2018年3月14日 3時
