プロローグ ページ1
【私のせいで】
そう、声を上げて泣いている妹の様子は…今でも思い返される
「〜〜〜」
あの時、私はどう声をかけるべきだったのか…正しい答えなんて分かりやしないけれど
「A！！！」
『！ごめん、聞いてなかった。何？？カゲ』
影「別に大した用じゃねぇよ。お前が1ミリも動かねぇから死んでんのかと思っただけだ」
『失礼な！ちょっと考え事してただけ。カゲこそ授業ほとんど寝てたくせに』
影「授業なんざ寝るためにあるようなモンだろ」
『そんなこと言ってるから先生に目付けられるんだよ？本部では前も根付さんアッパーしたんだし…もう少し落ち着いた方がいいよ』
影「うっせぇ、別にどうでも良い。実際お前だって面白がってただろーが」
『うん、正直言ってめちゃめちゃ面白かったし実際にその場で見たかった』
影「上の奴らに聞かせてやりてぇわ、お前のこの性悪発言」
『カゲより人徳あるので言われても大丈夫でーす！』
影「ウゼェ………」
村「A、カゲ。2人とも帰らないのか？？」
『私は本部に直行するよ〜』
影「お前数日家帰ってねぇだろ、何してんだ？」
『この間小型トリオン兵一斉駆除したでしょ？アレが原因で発生してたトリオン兵、だいたい私が排除してたわけね？…詳しい報告書を書けって忍田さんに頼まれて……忍田さんの頼みとか断れないじゃない…？私の直属は一応林道支部長なのに……』
村「大丈夫か？手伝おうか」
『ううん、大丈夫！今日終わらせて帰るよ。妹の顔も見たいし』
村「Aは本当に妹のことが好きなんだな」
『うん！』
私のせいでと泣くあの子の姿なんてもう二度と見たくない
忍「お疲れ様、まとめてくれてありがとう」
『あはは、参考になると良いんですけど』
忍「この後はどうするんだ？もう暗くなって来たが…支部に行くなら車を出す。ここまでやってくれたしな」
『いえ、今日はもう帰ろうと思ってて。一人で大丈夫です、ありがとうございます！』
忍「そうか…？？では、気をつけて」
『はい！』
……久しぶりの千佳だ…疲れた……
寂しがってないといいけど
プルルップルルッ『？』
【母さん】
『…もしもし？うん、うん………
…は？千佳がボーダーに？？』
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作者名：ringo | 作成日時：2021年7月25日 17時
