嵐の前の ページ48
「さてと、お昼は何にしようかな〜……」
私は書類を本部へ届けた後、王貴界の中央区へ来ていた。
この辺りには美味しい店が多く、昼食に悩む。
ブラブラと宛もなく歩いていると、行きつけの喫茶店の前に出た。
最近の流行りの店とは少し趣向が違う、落ち着いた雰囲気の店だ。
アンティーク調で揃えられた家具に少しくらい橙色の照明、ゆったりと流れるボサノヴァに珈琲のなんともいい香り……
それを想像してしまったら、もう入らずには居られなかった。
カラン！
重みのある扉に手をかけようとした時、ドアベルが鳴り扉が開かれ少女が飛び出してきた。
「わ！」
「おっと、こんにちはエリーちゃん」
止まる間もなくぶつかってきた女の子を抱きとめて、笑顔を向けて挨拶をする。
この子はマスターのお孫さん、エレノアちゃん。
ふわふわと靡く長い金髪が印象的な可愛い女の子…
少し昔のミモザに似ている。
よくお店に遊びに来ているので仲良くなった。
「あ！Aお姉ちゃん、こんにちは！」
「これ、エリー…申し訳ありません…A様」
私だと気付いたエリーちゃんは顔を上げてにぱっと笑った。
そんな彼女にマスターはやんわり注意して私に謝る。
「いいんですよ、子どもは元気なのが1番ですから。ねー？」
「ねー？」
エリーちゃんを抱きとめたまま頭を撫でてやると、エリーちゃんは花が咲いたように笑う。
それを見てマスターも困ったように笑う。
私は一応王族だから、気を遣われているのだが全く気にしない態度を取り続けていると最近は少しだけ砕けた態度を取ってくれるようになってきた。
「あ、わたしね、おつかいに行くの！」
「ええ？1人で？大丈夫？？」
エリーちゃんはピンクの可愛らしい財布を私に見せてくれた。
「行くと聞かないので…お店に飾る花を買ってきて貰おうかと…」
なるほど。
女の子にはそういうませた所があるから、エリーちゃんも"お姉さん"になりたい年頃なのだろう
少し心配だが、実は花屋さんはふたつ隣のお店だ。
店員さんも愛想のいいお姉さんと、優しいおばさまだから、エリーちゃんが一人で行っても大丈夫だろう
「凄いねエリーちゃん、お姉さんだねぇ？
でも気をつけていくんだよ？」
「うん！帰ってきたらね、Aお姉ちゃんに見せてあげるね！」
私はにこにことその小さな背中を見送ってから、店の中へ入りいつものカウンター席に座った
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ふーじー。(プロフ) - コメント下さった方々、ありがとうございます！続編の方もよろしければお願いします( ´ ` ) (2020年10月21日 21時) (
レス) id: 594ed5f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
メガネコ(プロフ) - こんにちは！！とっても面白くて素敵なお話だと思いました！！ これからも、更新楽しみに待たせていただきますね！！ (2020年10月15日 14時) (レス) id: acba606f80 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい､､! (2020年10月12日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - コメントくださった方ありがとうございます！嬉しいです！これからも頑張ります…！ (2020年10月8日 19時) (レス) id: e1e44de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
ミノル - 悩むフエゴレオンさんが、可愛い！！サイコーです！嗚呼、マジ尊い、、更新ありがとうございます！！ (2020年10月7日 18時) (レス) id: 6c7edba7fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふーじー。 | 作成日時：2020年9月30日 0時
