女子会 ページ45
「魔法騎士団ではどうか分かりませんが…王族主催の晩餐会やパーティーでご一緒した時は周りにいつもフエゴレオンさんやレオポルドさん、ノエルさんのご兄妹方…私の兄も、よくお邪魔しておりますわね…」
兄、の単語が出た途端にミモザの表情が強ばったのはさておき、言われてみればその通りかもしれない。
これだけ王族の面々が集まっていれば普通の貴族は声を掛けづらいだろう。
「意識してた訳じゃないけど、よく一緒にいるのはやっぱり親戚になってたかも…」
「しかもAさんの場合、お相手がフエゴレオンさんやノゼルさんなのも大きいと思いますわ」
ミモザはデザートを取りそう言った。
記憶を辿れば、思い当たる節は多かった。
普段ではレオと一緒にいる事が多いけどパーティーではレオがいないこともある為、お兄様のそばに居ることがほとんど。
お兄様以外では、ノゼルさんが声をかけてくれるくらいだ。
「ちょっと待って…」
私なりに納得しているとノエルが話を止めた。
「あのノゼルお兄様が…?」
「え?まぁ…そうだね。お兄様が他の方とお話している時なんかにはよく話しかけてくれるかな。
…たぶん私が1人でぼーっと立ってるのを見て心配してくれてるんじゃないかな」
すこし表情が硬いから誤解されがちだが、ノゼルさんはとても優しい方だ。
小さい頃から、よく面倒を見てもらっていた。
「私も以前お見かけしたことがありますけど…
Aさんとお話しているときのノゼルさん、とても優しいお顔をされてましたわ」
「そ、そうなの…」
ミモザの話に意外ね、と答えたノエルの言葉はほぼ同時に口に運ばれたデザートと共に消えていった。
その後もたわい無い話が続いたが、明日はお互いに予定が入っているということもあって、お茶会はお開きとなった。
「2人とも今日は楽しかったよ。
本当に送っていかなくて平気?」
邸宅の門前まで2人を見送りに来てダメ押しで問う。
「大丈夫よ/ですわ」
2人はハッキリ答えると踵を返してそれぞれの拠点がある方向へと帰っていった。
騎士団のローブを纏い立派になった背中を見送ってから、私も自分の拠点へと向かう。
明日は戦功叙勲式でお兄様もレオも不在になる。
代わりが完璧に務まるとは思わないが、1日くらいなら私と副団長とでなんとかなるだろう
この時の私に、そんな考えを疑う余地は微塵もなかった…
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふーじー。(プロフ) - コメント下さった方々、ありがとうございます!続編の方もよろしければお願いします( ´ ` ) (2020年10月21日 21時) (レス) id: 594ed5f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
メガネコ(プロフ) - こんにちは!!とっても面白くて素敵なお話だと思いました!! これからも、更新楽しみに待たせていただきますね!! (2020年10月15日 14時) (レス) id: acba606f80 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年10月12日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - コメントくださった方ありがとうございます!嬉しいです!これからも頑張ります…! (2020年10月8日 19時) (レス) id: e1e44de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
ミノル - 悩むフエゴレオンさんが、可愛い!!サイコーです!嗚呼、マジ尊い、、更新ありがとうございます!! (2020年10月7日 18時) (レス) id: 6c7edba7fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年9月30日 0時