思うことは ページ35
「気にしないで下さい。それで…この人たちは、一体どんな悪さを仕出かしたんでしょう?」
魔法帝が仕組んだことに私が意見することは何も無い。よって謝罪される覚えもないのだ。
それに、こうして万が一のことを考えて私の様子を見てきてくれた。それだけで十分だ。
「…知ってるかと思うけど、この5人の内2人は王権派の…とくに現国王を要するキーラ家を絶対視している貴族の専属医だ。」
「…」
私を遠ざけておいての職場放棄や、回復魔法発動に対する妨害などからして、どうやら回復魔法チームに裏切られていることは察しが着いていた。
今回の試験で回復魔法チームを上手く指揮できず、私が失態を晒せば、王族二大巨頭の一角、ヴァーミリオン家の立場が揺らぐ。
そこで元凶たる私を切ることで手を打とう、これはキーラ家からの寛大な措置だとかいえば、ヴァーミリオン家に恩を売り、分家出身の目障りな私を消せすことが出来て一石二鳥…と言ったところか。
冒頭を聞くだけでそこまで納得した私だったが、残りの3人には見覚えがなかった。
一応王族主催の行事には参加しているので主要な上流階級の顔と名前くらいは一致しているのだが…。
「彼らは回復魔道士の立場を利用して臓器売買や人攫い、果ては人体実験にまで手を出し利益を得ていると報告が上がっている集団の一員だ。」
私の想像を上回る悪党だった。
魔法帝が態々様子を見に来ているから何かあるとは思ったが…なるほど。魔法帝に謝られるのも当然なほどの結構な危険人物だった。
これはお兄様たちには言わない方がいいな…
そんなことを思う間にも魔法帝の話は進む。
「私に報告が上がるくらいだから、彼らも潮時だと思ったんだろうね。そこで、今回の試験に新しい責任者として君が任命されたこと、それをよく思っていないキーラ家派の貴族がいることを利用しようと思ったみたい。」
「Aちゃんに自分たちの罪をなすり付け、キーラ家側の魔道士がそれを暴いて追放する、そんなシナリオでも提示したのかな?」
「私すっごい悪女にされそうになってたんですね…」
つらつらと言う魔法帝の話を聞き、自分の事ながら可哀想な話だと思った。
「僕の作戦に敵がまんまと引っかかってくれて助かったよ〜」
そしてこの人は本当に、どこまで先がみえているのか…
魔法帝を私が末恐ろしく思うことすらお門違いだろうが、そう思わずにはいられなかった…
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふーじー。(プロフ) - コメント下さった方々、ありがとうございます!続編の方もよろしければお願いします( ´ ` ) (2020年10月21日 21時) (レス) id: 594ed5f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
メガネコ(プロフ) - こんにちは!!とっても面白くて素敵なお話だと思いました!! これからも、更新楽しみに待たせていただきますね!! (2020年10月15日 14時) (レス) id: acba606f80 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年10月12日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - コメントくださった方ありがとうございます!嬉しいです!これからも頑張ります…! (2020年10月8日 19時) (レス) id: e1e44de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
ミノル - 悩むフエゴレオンさんが、可愛い!!サイコーです!嗚呼、マジ尊い、、更新ありがとうございます!! (2020年10月7日 18時) (レス) id: 6c7edba7fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年9月30日 0時