粛に、 ページ9
「まず、新入生はいくつかのグループに分かれて授業が始まるまでの準備をします。1度には多すぎて出来ませんから…」
「なるほど…」
「で、私とアリスと入間くんは同じグループだよ」
ずっと黙ってはいられず、私は会話に割り込む。
あ、これくらいなら許してくれるんだ。
「そして今日、私たちのグループは使い魔召喚の儀式ですので、使い魔の間へ向かっているのです。」
「使い魔？」
「はい、バビルスの伝統行事です。生徒は皆、入学したら自分で魔獣を召喚して家来にするのです。
そこで召喚した使い魔の質で生徒の
アリスの分かりやすい説明に、入間くんはへぇと感嘆した。
彼が心の中で使い魔に喰われないか心配していたということは、2人に知る由もなかったが。
ガチャ…
使い魔の間の扉を開けると、そこは物々しい雰囲気に包まれていた。
「なんか、緊張するね…」
「そう？入間くんは緊張しすg「この結果はクラス分けにも反映されますからね！」
間の抜けた私の声に被せるようにアリスが言った。
なんかアリスが刺々しいような…？
そう思っていた矢先、扉が勢いよく開かれた。
入ってきたのは、顔色の悪い、不機嫌を具現化したような悪魔の教師だった。
「粛に」
その一言で、ザワついていた生徒たちが黙る。
「(あのおっかない先生だ……)」
入間は入学式で見た先生だ、思い肩を窄めた。
「監督官のナベリウス･カルエゴである。
この行事は常に私が担当だ。何故か？
私が常に厳粛であるからだ。貴様らが使えないゴミか、はたまた多少は使えるゴミかを判断する。」
他の生徒の空気感が変わる中、Aはいつもと変わらずにこにこしている。
「(どっちにしてもゴミなんだなぁ)」
呑気にそんなことを思いながら。
そうこうしていると、カルエゴはAたちの方へ近づいてくる。
「例えば、祖父の威光を借りて栄えある場で下品な呪文を唱え、あまつさえその日の内に乱闘騒ぎを起こすようなゴミがいたら…即、処分対象である。」
正確には入間に近づいたらしい。
彼の間近で脅すように言ったカルエゴの目には隠そうともしない敵意が滲み出ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃ−ちゃん - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年5月23日 22時) (
レス) id: e414f5566f (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 更新頑張ってください…応援してます。 (2021年5月11日 5時) (レス) id: 7cfed39eff (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすねこれからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふーじー。 | 作成日時：2020年3月25日 12時
