カルエゴのピンチ ページ13
「(ヘラヘラしおって…!奴にそっくりだ…!!)」
入間の笑顔で、カルエゴはイラ立ちが頂点に達し、腸が煮えくり返る思いでいた。
「(喧しく、節度がなく、マイペース…
私の三大嫌悪を凝縮した、ミスター適当!
あの阿呆理事長に…!!!)」
彼の脳内に、いぇーいとVサインをするサリバンが浮かぶ。
「(今までどれだけ奴に振り回されてきたことか…ッ
気紛れで給料を減らす!
自作の説明セット(さっきのやつ)を押し付ける!
入学式も滅茶苦茶に…ッ!!)」
お気づき頂けただろうか。
これにはAもほとんど当てはまっているということに。
しかしそれを忘れるほどに理事長の存在はカルエゴにとって大きなものだった。
「(だが、この行事の権限者は私…!!
少しでもヘマをしたら即退学にしてやるわッ!
貴様の自慢の孫をな…!!!)」
とはいえ、既にAからもらかなりのダメージを受けていたカルエゴはその矛先を理事長でもAでもなく、入間に向けたのだ。
完全な八つ当たりではあるが、思いも寄らぬところで両者の思惑が合致したのである。
だが、自体は思わぬ方向へ進むことになる。
「でた…!これが僕の…使い……魔?」
入間が羊皮紙をロウソクに焚べると、一際眩しい光に包まれたあと、羊皮紙が激しく燃え始め黒いオーラに包まれた。
そしてそこから出てきたのは……
召喚陣から上半身だけが出たカルエゴだった。
彼の下半身は元いた位置にそのまま残っている。
その場にいた誰もが理解が追いつかず、しん とする。
「ぷ、くくっ…くッ…!」
ただひとり、Aを覗いて。
「「ハァアアァァア!!???」」
そしてようやく自体を把握した入間とカルエゴが同時に叫ぶ。
「なんっだ、これはァ!!?貴様ッ!!
何をしたァ!!?」
いつもの粛に、と言っているカルエゴが取り乱して声を荒らげているのを見て、Aはもはや声を堪えられなくなる。
「はははは!なにあれ!!」
肩を揺らして笑うAとは対照的に入間は顔面蒼白になる。
「ぼっ、僕にもさっぱり…!!」
「止めろッ!!
今すぐ召喚を止めるのだ…ッ!!!」
食い気味に怒鳴るカルエゴの剣幕に押されて、入間はカルエゴの下半身を必死に引っ張り戻そうとした。
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にゃ−ちゃん - とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2021年5月23日 22時) (レス) id: e414f5566f (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 更新頑張ってください…応援してます。 (2021年5月11日 5時) (レス) id: 7cfed39eff (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすねこれからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふーじー。 | 作成日時:2020年3月25日 12時