＊第65話 ページ21
「…ごめん、快斗くん
俺の為に、凄い心配してくれたんだって、快斗くんが俺の事、大切に思ってくれてるのは、十分伝わったよ」
首元に顔をうずめる彼の頭を優しく撫で、軽く抱きしめる
「それに、家族を失う気持ちを分かってるからこそ、いっぱい不安にさせたよね、本当にごめん」
「…」
優しく撫でながら語り掛けるが、返事は返ってこない
けど、俺はそのまま話を続ける
「俺も快斗くんのこと大切だから、ずっと一緒に居たいし、失いたくないとも思う」
だから、と続けて言葉を発しようとするが、のどでつっかえてしまう
いいのか、こんなタイミングで言ってしまっても
俺が本当は、快斗くんの正体を知っているということ
けれど、彼はきっと、自分の抱えている問題に巻き込みたくないが為、優しさゆえに隠してきたのだろう
でも、俺も快斗くんの家族なんだ
家族に隠し事なんて、快斗くんも本当は心苦しいと思ってるはずなんだ
でも巻き込んでしまうから、と踏み出せずに1人抱えている彼を、俺は放っておけない
決心し、俺はついにその言葉を口にする
「だから、
君が怪盗キッドって事、もう隠さなくても良いんだよ」
すると、その言葉にガバッと慌てて顔を上げる快斗くん
「おま…ッ、なんで…！？」
「身近に居るんだから分かるよそれくらい、俺を誰だと思ってるの」
「A…」
「隠し事してんの、辛いでしょ？1人で抱えるのが辛いって事も、俺が1番分かってることだから」
にっと笑うと、快斗くんもつられて笑顔を見せる
「俺を思って隠し事してたのに、なんかごめんな？」
そう問い掛けると、快斗くんは左右に首を振る
「や、むしろなんかつっかえが取れた感じがして良かったのかもしれねぇ
ありがとうな、A」
いつもの快斗くんの表情に安心する
「快斗くんも俺の大切なんだから、命大事にしてよね？家族を失うのは、俺も嫌なんだからさ」
彼の右頬を撫でると、そっとその手を取られて、薬指にキスを落とされる
「な、えっ！？」
突然のことにそのまま固まっていると、ニヤリと笑う彼
「何言ってんだ、俺は月下の奇術師
スペシャルなお客人に悲しむ顔なんてさせたら、それこそ奇術師失格だろ？」
すると、彼が握っていた手をそっと離し、その手からポンッ！っと音を立ててバラが現れる
「…それもそうかもね」
俺は笑いながら、彼のバラをそっと手に取った
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くるみ(プロフ) - これはとてもよきですね(((続き待ってます！ (10月10日 8時) (
レス) @page26 id: dd662f3c96 (このIDを非表示/違反報告)
MIURU - 最高すぎます…、更新停止…、いつでも待ってます! (2023年2月20日 0時) (レス) @page26 id: a380c9d5e4 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 尊い…とても尊いです…いつか続きが読めますように… (2021年3月2日 23時) (レス) id: 8fe4c5ffdc (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 続き……続きが読みたいです！ (2021年2月23日 11時) (レス) id: 5bb09981e1 (このIDを非表示/違反報告)
若宮真琴 - ピュアですね！快斗くん可愛いです！！！！更新頑張ってください！ (2020年7月3日 6時) (レス) id: f98349de18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AMATA | 作成日時：2018年7月28日 0時
