＊第23話 ページ27
急いで部屋に入り、その場にへたり込む
心臓の音が自分でもはっきりとわかるくらい脈打っていた
おかしい、のぼせた訳でも無いのに顔が熱い
頭にかぶっていたタオルが床にはらりと落ちる
「…ｯ、どうかしてんだろ…」
今まで感じたことの無い感情に、頭の処理が追いつかない
久しぶりに彼に触れられて、子供扱いされて腹が立った、なんて言う感情でも無かった
なら一体これはなんなのだろうか
「(楽しい…？嬉しい？)」
それとも──
俺の中に一つの感情が頭によぎるが、すぐにその考えを抹消する
「(ありえない、そんなこと)」
俺の実の従兄弟で、ムードメーカーで人気者で、気さくでいつでも優しくて…
俺にとっては自慢の、従兄弟
ただ今回は、慣れないことをしてしまったこと
彼からの懐かしい行為に驚いてしまっただけなのだ、と
自身に暗示をかけるかのようにそう言い聞かせる
そう言い聞かせなければ、俺は…
守りたいものを守れなくなってしまうから
俺なんかが彼のそばにいたいなんて、隣で笑い合いたいなんて願ってはダメなんだ
怪我を負わせてしまったあの時
決心したじゃないか
”快斗くんを守る”って
だから、彼が二度といじめに巻き込まれないように避け続けてきたのに
｢なんで…嫌いにならないの…｣
か細い声が室内にこぼれる
普通なら避け続けられたら嫌いになるか諦めるはずなのに
ずっとずっと快斗くんは、小さな事でも話し掛けてくれて、心配してくれて…
俺には勿体なさすぎる存在なんだ
「…ｯ」
ポタリ、と床に雫が落ちる
気づけば、俺の目には大粒の涙が溢れていた
同時に、だんだん胸が苦しくなる
こんなに感情が起伏したのはいつぶりだろうか
どうして俺はここまで、快斗くんを避けながらも執着してしまうのだろうか
答えはもうとっくに出ている
だけど、自分に嘘つきになるしかなかった
そうでなければ、快斗くんを困らせてしまう
やるきれない気持ちに心が押し潰され、俺は長いこと部屋で泣き続けた
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AMATA(プロフ) - 杏子さん» 伸びたw良かったです！！(？？)楽しみながら読んで下さりありがとうございます！！ (2018年7月16日 15時) (
レス) id: 4b76855916 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - まって、なってちょっと待って。心臓持たない。待って寿命3年、、、、、、伸びた (2018年7月16日 7時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
AMATA(プロフ) - タナトフィリアさん» わぁぁコメありがとうございます！(´；；｀)そう言って頂けて大変恐縮です…！二人の関係を進展していけるよう更新頑張ります！ (2018年7月10日 0時) (レス) id: 4b76855916 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - ヤバいです！めっちゃキュンキュンしました！続きが楽しみです！更新楽しみに待ってます！応援してます！(*^艸^*) (2018年7月9日 12時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AMATA | 作成日時：2018年6月25日 23時
