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A視点
顔を隠すのに紙を使う神様がいるんだな、なんて。
ゾムさんが呼んできた誰かに対して思う。
言っていた通り軍医さんなんだろうけど。
窓を見ていた目線を神さんに向ける。
「神様って呼べばいいんでしょうかね?」
??「え、いやぁ好きに呼んでいいよ。一応しんぺい神っていう名前ではあるからさ。」
「んじゃ、しんさんで。ゾムさんが呼んでくれた方、つまり軍医さんですよね。」
sn「うん、そうだよ。君は...えっとごめん名前聞いていい?」
あれ、僕名乗っていないのにここにいる...?
ってか身分証明書とかも無いのか。
「名乗り忘れていたとは、失礼しました。Aです。
こんな知らぬ人間にここまで...でいいんですかね?
処置をしていただいてありがとうございます。」
zm「知らぬって言っても俺を助けてくれてやん。恩人って立ち位置でええと思うけど」
「そういうもんなんですかね?」
兵さんからの通信も聞いていたみたいで。
あの時助けられた子供はこの国の孤児院に預けられてるみたい。
元気だって聞いて、本当によかったなって思う。
なんて、僕の今の立ち位置を聞き終えた辺りで
ゾムさんが思い出したかのようにしんさんに言った。
zm「せや、ぺ神。こいつ痛みがわからんみたいやねん。」
sn「え?それはほんとうのことなのAくん。」
「えぇ、事実の話です。切られても打たれても落ちても感じられないですね。
試しに今、この状態で立ち上がってみましょうか?」
どうせ言葉だけと思われるんだろうから、
いつも通り立ち上がる。
骨と筋肉がうまく合わさってないから動きにくいけど、
立つくらいなら余裕でできる。多分動けるなこれ。
この状態でなんら変わらない僕の表情、感覚を
感じ取って彼らの顔が固まる。
zm「そんな強がりせんでも、悪いようにはせん...は?」
sn「...本当になにも感じないの?」
「えぇ。感覚がありませんので。どうもどこかに忘れてきたみたいです。
ってことで、僕はそれを探すためにはやく旅に出ねばならんのですよ。」
ここの世界も知らないし、常識もわからないけど。
何となく居心地が悪くなったここから逃げたくて、
咄嗟に出た嘘。
ま、追い出されてもなんとかなるかななんて考えてたら、
ゾムさんが口を開いた。
zm「それ、俺らにも探させてくれん?」
「はい??????」
え、なんか思ってた方向と全く違う返答来たんですが。
どうしよう。頼ってもいいのかな...?
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