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A視点
目の前に並ぶ偏った食事。
ほとんどが肉と油で構成された食卓は
戦争ではありえない光景、だと思う。
どの世界であっても。
肥えた豚は僕の姿を見て、驚いているのか、怖がっているのか。
まぁ、余りにも見たくなさ過ぎて目を逸らしているから
詳細の表情はわかんないけど。
お国様の王様って、こういうものなのかな。
「ねぇ君、最高権力者ってこういう人が普通なの？」
扉を開けて、状況を確認してたらいつの間にか来ていた誰か。
多分、さっき話しかけてくれた兵さん側の人だと思うけど。
彼がいる方を見る。
フードで表情は見えないけど、多分悪い奴ではない。
僕の事めちゃくちゃ警戒してるけどね。
「ま、僕はテュハンに怒ってるだけだし何でもいいんだけど。」
視線を王の方に戻しながら言う。
やっと頭の回転が追いついたのか、
王「我が国の敵じゃな!!!???おい、早く奴らを片づけるのじゃ!!!」
と汚い声で叫ぶ。
ただ、どれだけ時間が経てど人は来ないよ。
だって僕
「君の味方は、全部ほふってきたから。誰もいないよ。」
王「!?」
僕の言葉を租借し、また何か言おうとしたから
距離を詰めて口をふさいだ。
ってか身を封じたの方があってるかも。
「フードさん。」
??「...。」
「別に僕は、ちょこっと聞いたこの国の制度が許せなかっただけの
部外者だろうから。
多分あなたは軍人?なのだろうし。
こいつ、適切に処理してくれないかな。」
??「...。」
「僕、どうなってもいいよ。」
動けない王を他所にフードさんに話しかける。
少し考えた、いや、連絡をとったかと思うと、
王の息は絶えていた。
彼は目の前にいた。
ふっと安心して、立ち上がったら、
地面が揺れた。
大きく、とても大きく。
崩れていくんだろうな、と漠然に。
来た時から思ってたけど、血を流し過ぎたのか
フードさんが倒れる。
咄嗟に。
フードさんを抱え、窓から飛ぶ。
痛覚が無いことを喜んだことはこれくらいかな。
どれだけ高いところから落ちても、問題ない。
そっから、走る。
さっき別れた、兵さんのところへ。
この城に潰されない場所へ。
彼が、これ以上悪化しないように。
走って、走って。
そして、ふと力が抜けて
僕の体は地面に叩きつけられた。
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