【d!】無痛覚傷年 (ページ5)

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A視点

戦には情など無い、と習ったことがある。

ただ、そこに佇む彼らはそのような機械じみた感覚ではなかった。

??「我々は貴方の行動を先ほどから見ておりました。

貴方が現れた場所からは敵という判断になりますが、

行動は全く逆です。貴方は、何をしているのですか。」

「あぁ、なるほど。話、聞いてくれる感じなんだ。

正直詳しく話してられないから一言。

テュハンの敵だよ。」

そう返すと、彼らは少しだけ張っていた気を落ち着かせた。

現実と歴史本では少し違うらしい。

が、未だ僕を見てどこかに連絡している。

好都合だ。

「君ら、テュハンの敵ならこの子預かってて。

僕そろそろ行くから、じゃあ。またあとでいろいろ聞いて。」

そう残すと僕は何も聞かずに戦場へ戻る。

後ろも振り返らなかったからどんな表情してたかわかんないけど、

一言叫んでた。

??「生きて帰ってきてください!!!」

見知らぬ赤の他人にあそこまでの言葉を言えるのか。

まぁ、彼らの上の指示があるのかもしれないけど。

こんな最悪の場所で、なんとなく暖かいと思った。

彼らとは反対の方向へ。

一つ見える不気味な城へ。

向かう敵を床に転がして。

一直線に、王がいるであろう場所へ。

ﾊﾞﾝｯ

と扉を開ける。

うん、肥えた豚。