【d!】無痛覚傷年 (ページ15)

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A視点

ひとらんらんさんの背中で静かに揺られていれば

いつのまにか、厳かな雰囲気を感じる部屋についた。

エーミールさんが声をかけ、扉が開く。

目線を中に見やれば、先日あった総統様と、また新しい人と、ゾムさんがいた。

ひとらんらんさんが僕を椅子に下ろしてくれたので、

彼に一礼をしてその状態のまま挨拶をした。

「お待たせして申し訳ありません。総統様。跪いてご挨拶すべきでしょうが、

そこの方々と軍医様に止められていますので、この状態で失礼します。」

gr「そこまで畏まる必要はないぞ。A。わが軍の戦力を救ってくれた恩人であり、

怪我人であるあなたにそんなことを強制するつもりもないのでな。

さて、そこの二人から聞いていると思うが君の処遇について説明しよう。」

つらつらと多くの制約をもらうのだろうと思っていれば

総統様は一言しか言わなかった。

gr「その呪い、俺らにも手伝わせろ！」

笑顔で告げる彼に同調するように笑うゾムさん。

そして今聞きましたみたいに驚く赤いマフラーをつけたお方。

状況としてすこしカオスなことになる前に声を上げる。

「それは、こちらからもお願いしたいことですが...それだけですか？」

gr「そうだぞ。」

??「グルさん？？？」

赤マフラーさんから黒いオーラが溢れる。

まぁかまわないのだけど本当にそれだけなのは少し困惑しかない。

だって、自由すぎるから。

自由すぎて自分がどうしたいかなんてわからないから。

悶々と考えていればスッとひとらんらんさんの背中が目に入る。

ht「これだけだから、これからごはん行こう。おなかすいたでしょ。」

「そう、ですか。確かにおなかがすきましたね。ご飯食べたいです。」

彼に体重をあずけ、またエーミールさんとひとらんらんさんと一緒に

部屋を退出しようとすれば

gr「ひとらん、ついでにここのルール教えといてくれ。対応は新幹部と一緒でいい。」

??「はぁ？？？？？」

総統様が声をかけてきた。

な、待って。新幹部って聞こえたけど本当にどうなってるの僕の処遇。

もう一人のひとは納得してなかったよあれ。

考えることが面倒くさくなった僕は

優しく揺れるひとらんさんの背中で、

懐かしい和の匂いを感じていた。