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「あべちゃんお疲れ様ぁ」
コンコンコンとノックの音。返事をすれば誰かが入ってくる気配がする。
聞き覚えのある気の抜けるような柔らかい声に驚いて目を向ければ、私服姿の佐久間がいた。
「え、なんで……」
「んぇ？体調、悪いんでしょ？」
なんで、そう言おうとすれば「マネさんに聞いたよ〜」見透かしたように返事が返ってくる。さっきまで張っていた気が抜けて衣装も着替えずに一直線に佐久間の元へ向かう。すると、待ってましたと言わんばかりに広げられる佐久間の腕。
その中に吸い込まれるようにすっぽりと収まれば、
「んはっ、お疲れ様あべちゃん。ちょっと疲れちゃったね。」
なんて言いながら頭の上で優しく動く、少し小さな手。
一定に音を奏でる心臓の音と、暖かな体に安心して身を委ねた。
「……ん、」
「あ、あべちゃんおはよー」
目を覚ますと俺を覗き込む佐久間の姿。
「お、はよ、さくま……っ、げほっ、」
「あぁあぁ、ちょっとちょっとまだ寝てて？」
起きようとした途端に感じる体の重さと頭痛、喉から込み上げる感覚に思わず咳をすれば焦ったような顔をした佐久間に止められる。
「あべちゃんはね、頑張りすぎちゃったんだよ。
それで体が追いつかなくて置いてけぼりになっちゃったの。」
ぼーっとしてくる意識の中、ぽんぽんと一定のリズムでお腹を優しく叩きながら佐久間は呟く。
「……ん、さく、ま」
「にゃはっ、もう眠そーだねぇ
おやすみ、あべちゃん。佐久間さんはここにいるよ。」
また襲って来る睡魔に耐えることは出来なくて、佐久間の優しい声に呆気なく目を閉じた。
頑張りすぎちゃうあべちゃんだから、俺がしっかりしなきゃね。
彼のサラサラとした髪を撫でる。
その手に猫のように擦り付く彼は、やっぱり可愛くて、大切な弟のようだった。
未熟な心 fin.
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リクエスト作品です。
阿部さんの生放送、某5歳の恐竜さんとのやり取りが可愛くて大好きです。
●過去と現在の狭間で ab × sk→←●未熟な心 ab × sk
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作者名：あませさん | 作成日時：2023年8月21日 19時
