あなたと痛い 3 (ページ30)

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頭はいい癖に佐久間に関することになると途端に馬鹿になるのだ。

「それは違うでしょ」

体調不良を隠したのは佐久間だし、
気付いて声をかけて助けてくれるなんて思ったら大間違いだし。
佐久間が、佐久間の口で助けを求めてくれないと意味ないんだよ。
例え俺たちが気づけたところで佐久間に躱さたら意味が無い、避けられたら意味が無い。

少しぽかんとした表情のあべちゃんは脳の処理が追いついていないのか。

「ほらあべちゃんはさっさと佐久間解放して！
　佐久間は水分取って寝ろ！」

くっついてる2人を引っぺがしあべちゃんに水を持ってこさせる。
さて、この間に俺もさくちゃんとお話しようかな。

「さくちゃんさぁ、あべちゃん悲しませたいの？」

「……ぇ、？」

「ま、あべちゃんに限らず俺ら全員もだけどさ。」

さっきのあべちゃんみたいなぽかんとした表情。顔はまだ赤くて、汗で前髪が額に張り付いていた。

「俺らはね、悲しいんだよ。
　さくちゃんがちゃんと言ってくれないことが。」

ぼんやりとベットの上に横たわる佐久間の額に触れて、張り付いたピンク色の髪の毛をそっと左右に流してやる。

「苦しいって、痛いって、悲しいって。
　言ってくれないじゃんね。」

─────悲しいよ、すっごく。

独り言のように呟いた言葉に佐久間はきゅっと口を結んだ。
目尻を伝って落ちたソレは枕の色を変えていく。

沢山泣いていい。当たり散らかしていい。
ただ、1人で抱えないで。
小さな体に抱えるには大きすぎる荷物を俺らにも分けて欲しいんだ。
だって9人もいるんだから。

お前には仲間がいるんだよ。お前の荷物を持ちたいと、
お前を救いたいと思っている仲間が、沢山。

啜り泣く声が頭の中を反響する。
優しさだけじゃどうにもならない、そんなこと分かってる。
分かってる、けどね。

ふっかはやっぱりすごいね。
俺には、出来ない。

分けて、泣かせて。to be continued.
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リクエスト作品です。

漸く私生活が落ち着きましたので
またちゃんと更新できると思います。