あなたと痛い 3 (ページ18)

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●元気をあげる ab × fk ページ18

わかっていた。だって、食べられなくなっちゃったし。
食べられても、吐いちゃうようになったし。

「ぅえっ、ぉ、っ……はっ、はぁっ、」

酸の匂いも、ごちゃ混ぜになったご飯の気持ち悪い感触も、味も、もうとっくに慣れてしまった。
吐き終わったら口をゆすいで手を洗う。
あぁ、汚いなぁ、笑

「うん、大丈夫。」

全身がちゃんと細く見えていないかを鏡の前で確認する。
だって、痩せてるのバレたら迷惑かけちゃうから。

前々から好き好んで来ていたオーバーサイズの服や、寒がりが高じて来ていたモコモコな暖かい服たちがまさかこんなところで役立つとは思わなかったけどね。

胃の中に放り込むのはゼリーと胃薬。
今日も、何事もありませんように。

「……阿部さん、細くなりすぎじゃないですか……？」

「……えぇ？そうですかね……おっかしいなぁ。ちゃんと食べてるんだけど。」

「ほんとですかぁ？でもまぁ、阿部さん痩せやすいって言ってましたし、
　気をつけてくださいね？これからもっと寒くなるんで。」

「すみません笑、ありがとうございます。」

困ったような顔をしていた衣装さんは「とりあえずどうにかしますね〜」なんて頼もしい言葉を残して去っていった。
あぁ、衣装のウエスト合わなくなったんだって思うと何だか気分が落ちてしまう。食べてないんだから体重が落ちるのは当たり前なんだけど、やっぱり自覚してしまうと苦しくなる。

ちょっとだけ大きめに作られてた衣装がブカブカになっちゃって。
まぁでも、衣装さんが「阿部さんはこれくらいでも可愛いから大丈夫ですね！」って言ってくれたから大丈夫なんだろうけど。

　 ♢

「snowmanさん入られまーーーす！！」

今日は朝から雑誌の撮影。なんかクジで当てた人を抱っこするらしいんだけど、ラウとか目黒とか照とか阿部ちゃんとかになったらどーしよ。抱っこできる自信ないんだけど。

そうこうしているうにどんどん順番が回っていく。流石にラウが佐久間に抱っこされるってなった時は笑ったけどね笑
ちなみに俺は目黒に抱っこされたわ笑

そして自分の番が回ってきて1つ掴むと先端には緑色。
うわぁ、阿部ちゃんかぁ……できるきしねぇー

「おっ！えっとぉ〜阿部ちゃん！！！」

「まじぃ？ふっかかぁ…笑」

「なぁんだよ！お前その反応は！！」

俺の隣に歩いてきた阿部ちゃんは衣装の裾をヒラヒラとさせていて。
あれ、あの衣装ってあんなにオーバーサイズだっけ？