Broken Rainbow (ページ8)

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EP:08 ページ8

「なあ、トア、やっぱり止めようや。お店開いてへんし。誰もおらんかもしれん。」

「コタロウは、ニシムラくんとフウさんが心配じゃないん？？」

「心配やけど、俺らみたいな子供の言う事、聞いてくれるかなんてわからへんやろ？どうするん、怖い人やったら。俺らが殺されるって。」

コタロウの言うことはもっともだと、トアは思った。

それでも、タクヤが残したメモに書いてあった『Firebirdで宮崎さんと会う』の一言を頼りにここまできたのだ。

中学生のルウクを巻き込むわけにはいかない。いざとなったら、自分がコタロウを守って、逃げなければいけない。

そんな覚悟を持って、ドアを開けようとしたその瞬間だった。

「うわっ！」

勢いよく開いたドアに押される形で、トアは思わず尻餅をついた。スクールバッグの上にうまく着地したから痛みはないけれど。

「子供が来るような店とちゃうで？それに開店は６時からや。」

慌てて立ち上がると、目の前にいたのは、金髪の髪を弄りながら怠そうにこちらを見る青年だった。膝が震える。

でも、二人を見つけないと。

自分が。自分が。

必死に声を絞り出す。

「み、宮崎さんに用があるんです！」

上ずった自分の声じゃないみたいな声だったけれど。

一瞬、金髪の男の目つきが変わった。

この人、何かを知ってる。トアは直感的にそう思った。

ここで怯んじゃいけない。

「と、友達の2人がが行方不明なんです。Firebirdで宮崎さんと会うってメモが残ってたんです。ここに来たんやないかって。思って、その…。」

それでも怖いものは怖い。だんだんと声が震えていくのがわかった。

そんな自分と金髪の間に割り込むように入ったのはコタロウだった。

「ぼ、僕はコタロウって言います。こっちはトア。ぼ、僕らはただ友達の行方を知りたいだけなんです。ほんまに。お願いします。なんか知ってたら教えてください。お願いします。」

コタロウが頭を下げる。トアも慌てて一緒に頭を下げた。