伍 ページ5
久遠、というどでかい文字を引っさげて
その旅館は建っていた。
どこかの映画で見るような雰囲気と歴史を兼ね備え、
重々しく私たちが来るのを待っている。
どこからか落ち葉が舞ってきて男の子の頭に乗った。
取ろうと頭に手を伸ばした瞬間スっとしゃがまれ、手は宙を切る。
慌てて手を引っ込めた。
男の子から降りると何も言わずに歩き出したので、
何か言ってはいけないのかと思い黙って後に続いた。
これまた大きな暖簾をくぐれば、
出迎えか5人ほどの子どもが正座で頭を下げている。
『ただいま』
｢｢｢おかえりなさいませ｣｣｣
『朔、崇裕どこにおるか分かるか』
さくと呼ばれた1人の子供が頭をあげ、答えた。
｢
『分かった。ありがとうな』
頭をわしゃわしゃと撫でて、子供の嬉しそうな顔を見た後
私の方へ視線をずらした。
歓迎されていないのは分かっているが
そんなに露骨に違いを見せられても少し傷つく。
何度も言うが自分の意思で来たわけじゃないのに。
靴を脱ぎ、靴箱に入れる。
まだ営業時間ではないのか靴箱はがらがらだった。
『今からここの最高責任者に会いに行く。
そんでお前をどうするか決める』
｢どうするって｣
『まあ、追い出すか置いとくかの二択やな』
冗談じゃない。
帰れないと言っているのだ。
だからといってここにいるのも酷く居心地の悪い気はするけど
それでも路頭に彷徨うよりはマシ。
もし置いてもらうとなれば働かなければならない。
旅館なんてバイトはしたことがないが
死に物狂いでやれば出来るはず。
一気に緊張が高まり、心臓がうるさく動き出した。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
