参拾陸 ページ36
自分でもびっくりする発言をしてしまった。
『はぁ？笑』
｢いや、違うごめん。なんかその、｣
『違うん？ブスってこと？』
｢いやいやそうじゃなくて、イケメンだけど、あの、｣
『はははっ笑』
しどろもどろになるあたしを見て、望くんが笑った。
ちゃんと、しっかり、あたしに笑った。
目がクシャっとなくなる綺麗な笑顔。
……絶対、笑った方がいいじゃん。
『聞くとは言ったけどそういう意味ちゃうわ笑』
｢わかってる、ごめん。反射的に…なんか言ってた、忘れて｣
『何で？褒めたんやろ？俺のこと』
それだけはしっかり頷いた。
反射的に出た言葉で嘘はつけない。
『じゃあいいやん。普通に嬉しいし』
嬉しいんだ…
嬉しいとか思うんだ。あたしなのに。
トクン、と少しだけどこかが高鳴る音がした。
『んで？せっかくおんのに言うことそれだけ？』
｢いや、聞いてもいいのかなって｣
『何でもどうぞ』
｢望くん…いつからここにいるの？｣
子供たちは皆、自分たちより明らかに大きい崇裕さんと望くんを
様を付けて呼んでいるのが気になった。
『7年かな。数えてないし日は進まんから多分やけど』
『ここでは死んだ時の歳がずっと繰り返される。
だから俺は永遠に17歳やしチビらも永遠にチビ』
ということは朔くんや麗茉ちゃんは10歳で…
十也くんなんてもっと小さいのに。
それぞれの人生もここに来ることになった理由も知らない。
当たり前だけど、あの子たちは苦しかっただろう。
小さい体にたくさんたくさん詰め込んで、懸命に生きたのだろう。
生きられるあたしが、簡単に諦めてもいいのだろうか。
生きながらにしてここに来てしまうぐらいの
状況に置かれていたとて
あたしは本当に、生きることを諦めても。
『むかしむかし、あるところに望という少年がいました』
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
