弐拾玖 ページ29
望くんによろしいと頭を撫でられ
満足気な2人は、それぞれの持ち場に戻っていった。
いつの間にか朔くんと十也くんも居ない。
打ち解けるの早いなあ…
『俺らは崇裕のとこ行くで』
｢何しに行くの？｣
『行ってからのお楽しみ』
何じゃそりゃ。
心做しか望くん楽しそう。
笑ってるというほど笑ってないけど、
雰囲気柔らかい望くんって良いなぁ…
はっ？いやそういう意味じゃない。
良いっていうのは文字通り…文字だけの意味で…
だからそのかっこいいとかの良いではない。
断じて。てかこの世界でそんなこと、
『1人でにらめっこでもしてるん？入るで』
｢あっ、はい｣
『崇裕ぉー』
知らない間に着いてました。
望くんに変な顔見られたな、くそ。
｢おーどしたー？｣
崇裕さんは今日も朗らか。
濃い紫の着物がよく似合ってる。
あ…てか、あたしのお兄さんなんだっけ。
ほんとに全く思い出せないけど、こんな優しそうな
お兄さんならあたし向こうで幸せだったろうな。
『さっきの泣き声聞こえてた？』
｢聞こえたで。行こうと思て外覗いたらもう望が
手繋いでこっち向かっとったから出る幕無かったけど笑｣
『あれ聞いたんこいつ』
｢えっ、お、お嬢？｣
なー、と望くんに同意を求められ首をコクコク降る。
なぜか崇裕さんはそうかぁ…と考え込んでしまったけど。
『とりあえず俺出るから、話すか話さんか決めや。
新しく来た十也の配置も考えなんし』
｢おう…新入りは十也って名前か、分かったありがとう｣
望くんは出ていってしまった。
残されたあたしはどうしたらいいか分からず、崇裕さんと
部屋の中を見回す。
居心地悪いななんて失礼なこと考えてたら
崇裕さんがフーっと長いため息をついた。
｢お嬢、まぁ座り？お茶とお菓子持ってくるわ｣
｢はい。ありがとうございます｣
話してくれるのだろうか。
その前に彼は、あたしがどうしてここに来たのか
分かっているんだろうか。
お茶とお菓子を静かに置いた崇裕さんは、さっきとは違う
真剣な目をしていた。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
