弐拾壱 ページ21
ここで過ごす2日目の朝。
皆何時に起きるのか知らないけど
起こされなかったということはこの時間に起きても
大丈夫なのだろう。
時計が指すのは午前9時。
周りに人の気配はない。
昨日渡された着物を着てそろっと襖を開けた。
階下に降りてとりあえず望くんの姿を探してみるけど
神出鬼没な彼は探している時ほど見つからない。
向こうの方からドタドタと元気な足音は聞こえてくるから
きっと子供たちは掃除でもしている時間だろう。
あんまり望くん望くんと引っ付いているのもまた嫌がられそうだし
子供たちのお手伝いでも志願することにする。
そういえば昨日はお客さんの姿を1度たりとも見なかったけど
あたしが見ていないだけだろうか。
もし来ているのならあまりそこらをうろつくのもよくないしな…
｢ねぇ、何か手伝うことない？｣
雑巾を絞る女の子に話しかける。
ビクッと体を震わせたから、驚かせたかと反省していると
何も言うことなく走っていってしまった。
…聞こえなかったのかな。
｢ねぇ！あたしも何か、｣
｢うっせーよ｣
｢…は？｣
意志の強そうな目をした男の子。
しっかりとあたしを睨んで、突っ立っている。
それで気づいた。
あたしに対しての雰囲気が、違う。
鋭利な刃物かのよう尖った先端を皆こちらに向けている。
いつでも刺せそうな、そんな空気。
｢あんたの居場所はここじゃねぇだろ？恵まれてんだから…
さっさと帰れよ！｣
バケツを持ち上げる。
何をしようとしているのか分かった時には、もう遅い。
せっかく貸してもらった着物が上から下までびちゃびちゃだ。
｢ひっど笑 あたしが何したって言うのよ…笑｣
笑えなかった。
笑える状況じゃなかった。
でも、笑ってた。
そのままあたしは、その場から消えた。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
