弐拾 ページ20
今日2度目の菫の間。
なぜかまっすぐ進んでこれた。
崇裕さんがここにいることを願って襖を開けようとした時
2つの話し声が聞こえた。
よく聞けば、何を言ってるか聞き取れる声量。
『…は？今なんて？』
｢やから、あの子…お嬢を俺は知ってる｣
……え？
｢お嬢はな…俺の妹や｣
『何でそんな大事なこと黙ってんねん。じゃああいつの名前も』
｢おん。分かってた｣
待ってよ。
崇裕さんがお兄ちゃん？
この旅館の最高責任者が？
あたしにお兄ちゃんがいたかなんて当然分からないけど
全く信じがたかった。
『じゃあそれ教えたらあいつは元いたとこに戻れるやろ』
｢そうもいかん。望。俺がここにおる理由を知っとるやろ｣
『そりゃ知っとるけど…』
｢迂闊に戻せば、今度は正式にここに来てまうかもしらん｣
なんにも脳が機能しない。
何言ってんだ、みんなみんな何言ってるんだよ。
もう食堂でのことを言う気も無くなって、一人来た道を戻る。
これから何をすればいいか分からずひとまず曼珠沙華に入った。
1人になった瞬間不安とか混乱が一気に押し寄せて
思わず叫びたい衝動に駆られた。
ここには、味方がいない気がした。
帰りたい。
崇裕さんは迂闊にどうたらこうたらって言ってたけど
何も教えてくれないしそんなの知ったこっちゃない。
何でこんなとこ来ちゃったんだろ。
誰か、ちゃんと説明してよ。
ここはどこで、今はいつで、あたしは…誰なのか。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
