拾捌 ページ18
言われたご飯の時間になった。
望くんに連れられて食堂に行けば、
3,40人ほどの小中学生が配膳していた。
｢お、多っ…こんないっぱい居たんだ…｣
しかもキッチンに立っているのは中学生ぐらいの女の子数名だ。
慣れているのか死ぬほど手際よく、次々にご飯とおかずと
汁物をよそっていく。
『こっち』
｢あ、はい｣
3つあるテーブルの真ん中。
それの更に真ん中らへんの椅子を望くんが引いてくれる。
やだ、ジェントルマン…なんつって。
左隣に望くん、右には知らない7歳ぐらいの男の子。
配膳が終わり、全員が座ったところで手を合わせる。
『合掌』
｢｢｢ いただきまーす！ ｣｣｣
ぱくぱく、もぐもぐ。
皆良い食べっぷり。さすが成長期だ。
｢お姉さん、食べないのですか？｣
右の男の子が箸も持たないあたしを不思議そうに見ている。
口に米粒をつけながら。
｢あ、あたしは望くんにお清めされてからじゃないと
食べちゃダメなんだって｣
｢え。それって…｣
『
…また隠し事。
なんだよなんだよ、面白くないなあ。
一颯くんと呼ばれた男の子は望くんの仕草に合わせて
口を噤んでしまったし。
他の子も手こそ動いているけど、意識はこっちにあるのが
バレバレだ。
『悪いな、忘れてた。今から清める』
そう言うと彼は1度手をグーにして、そこから人差し指と
中指を立たせ、ぴったりその2本をくっつけた。
そしてそれにフッと息を吹きかける。
『祓え給い、清め給え、
そうして、ご飯の上で十字を切った。
これで一連の流れは終わりらしい。
何だか本当に神主さんのようだった。
だが毎回これをしてもらわないといけないっていうのも、
なかなか申し訳ないな。
｢ん！美味しー！｣
数秒後に、その申し訳なさは消えたけれど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
