拾陸 ページ16
居た。
間違いなく、崇裕さんが立っている。
背後のあたしには気づいていないらしく
まるで時を止めたように微動だにせず何かを眺めていた。
いけないものを見ているようで気が引けたが
ここは一応あたしの部屋。
入ったって無礼者！とはならないはずだ。
｢あの、崇裕さん｣
｢わっびっくりした！なんやおったん？言うてやもう〜｣
｢すみません。掃除が終わったら崇裕さんの所に行けって
望くんに言われて…｣
変なの。
現場の人達はあんなに済ました顔してるのに
その長が一番感情が見える。
朔くんも麗茉ちゃんも…望くんも、あたしに笑ってくれはしなかった。
｢うん、もちろん俺がそう言うたんやで。でもこんなところ
見られたら何か俺…変質者みたいやんか笑｣
｢何か眺められてましたよね？｣
｢いやいや何でもないねん。手短に話そか、
せっかくやしここ座って｣
隠した。
右手に持っていたそれを握りしめて、懐に入れた。
しつこく聞こうとは思わないが何となくいい気はしない。
もし何か…あたしに関してのことなら尚更だ。
崇裕さんとあたしが向かい合って座る。
望くんの歳は聞いたけど…崇裕さんは何歳なんだろ。
はっきりと大人と言っていたから20歳以上であることは
確実だろう。
｢そんなに時間経ってないから聞くのもあれやけど…
なんか思い出した事とかある？｣
｢いえ、全く｣
｢早っ、笑 まぁそりゃそうかあ。短時間で思い出せたら
苦労せんよなあ｣
そうですね、と頷く。
思い出して帰れたら迷惑もかけず済むんだけど。
特に望くんには。
｢望とは仲良くなれた？｣
｢うーん…あたしとしては仲良くしたいんですけど彼は…｣
｢そんな気なさそうか笑｣
これまた頷く。
教育係を10歳の子たちに任せるぐらいだし。
仲良くなれる気は…しない。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
